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zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第20話 オープニング

<<   作成日時 : 2012/05/18 23:03   >>

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「取るに足らぬ児戯が、時には役に立つものだな。特に、優れた指揮官を擁する精鋭部隊には…。」
 本営を設置するに当たって、ロンメルの部隊を囮にし、戦闘後に基地で補修整備をしている頃を見計らって、設営部隊及び先遣部隊を降下させ、ポイントを確保し、本営を設置し、本隊を降下させる。
 単純だが、優れた指揮官ほど、物事を詳細に捉え精密に考えようとする。
 グレミーは、そこにつけ込んだ。

「すでに、部隊を展開している頃かと。」
「そろそろ、一戦、交えて、相手の力量を図るか。エルピー・プルがシャア達に、どこまで対抗できるか見る必要もあろう。」
 プルはグレミーにとっては、いざという時の切り札でもある。
 キュベレイで埒が明かないと考えた時には、おそらく、サイコガンダムを投入するだろう。
 その判断をするに当たっては、まずは、シャアやカミーユといった、優れたニュータイプのパイロットと、一戦交えさせる必要がある。
「では、手並みを拝見するか。」
 アマーリエの入れた紅茶を飲みながら、ハマーンは執務室の窓から、外の風景を見る。

「グレミー様。全部隊、いつでも出撃可能です。」
「ご苦労。さて、今回の出撃だが、あくまで、敵の力量を図るのが目的である。決して、無理な戦いはするな。力量を図り、生還するのが、任務だという事を、忘れぬように、兵達には徹底させろ。」
 MS隊の指揮官を集めて、グレミーは出撃前の会議を開き、作戦の目的を伝える。
「キュベレイも出されますか?」
 指揮官の1人が、グレミーに訊ねる。
「無論だ。向こうのニュータイプにぶつけて、どの程度戦えるかを見ねばならんからな。それによって、今後の戦い方が大きく変わる。
「出撃するMS部隊は、2個中隊。出撃する部隊は、直ちに準備に入れ。」
「「「はっ!」」」
 各部隊が、出撃準備に入るが、これを高高度から監視しているMSが、あった。

「艦長。第三偵察小隊より、入電。敵の動きが活発化している模様。以上です。」
 キースロンが、通信の内容を読み上げる。
「やはり、動くか。」
 ブライトにとっては、想定範囲内であった。
「まずは、一戦。実力を確かめておこうという事か。つまりは、威力偵察のようなものかな。」
「でしょうね。向こうとしても、連敗記録を断ち切る為にも、こちらの実力を知った上で、本格的な攻略戦に入りたいでしょうから。」
 その時、カミーユは、何かを感じた。
『これは、一体…?』
 感じた方向を見て、耳を澄ますように、集中する。
『プレッシャーか?いや、それにしては、重圧が無さすぎる。力を感じるけど、酷く無邪気だ…。』
「まるで、子供の無邪気さだな。恐怖など、欠片も感じない。」
 ノーマルスーツを着たクワトロが、ブリッジに上がって来る。
「大尉も感じましたか?」
「ああ。酷く奇妙な感じがしたので、ブリッジに来てみたのだが、このような感覚は初めてだ。ハマーンとは、まるで違う。」
 クワトロは、記憶を探りながら、考え込む。
「とにかく、僕は、ノーマルスーツを着てきます。」
「そうだな。全艦、第2戦闘配置。MS隊発進用意。出港用意。」
 ブライトが命令を下すと、艦内に警報がなり、それぞれが部署に着く。

「カミーユ。この感覚、何だと思う?奇妙すぎて、予想がまるでつかないわ。」
 Zを起動させている時に、フォウから通信が入る。
「僕も、解らない。重圧が無さすぎるから、さほど強力なパイロットと考えられなくもないけど、油断しない方がいいと思う。こちらの力量を判断するだけだろうけど、気になる。」
「そうね。」
 カミーユの言葉に頷いて、フォウは気を引き締める。

「現在、高度2000。敵MS隊探知。10時方向。」
「MS隊、発進準備完了。いつでも出れます。」
 ブリッジでは、慌ただしく、索敵やMS隊の発進準備完了の報告が飛び交う。
「ミサイル及び、艦砲射撃。第一波撃てっ!60秒後にMS隊を、発進させろ。」
「了解、全砲塔及びミサイル発射管、一斉射撃!」
 アーガマから無数のミサイルと、砲塔からメガ粒子砲が発射される。

「グレミー様、熱源接近!」
「各機、散開。左右から、敵を追いこめ。」
 中隊ごとに、左右に展開するが、ブライトはそれを見越して、範囲を広く取って攻撃を命じていた。
 その中に入ったMSが、被弾し爆発する。

「やるな。全機、敵艦がいると思われるポイントに、急行せよ。」
 MS隊の編成は、対艦攻撃用にズサ。通常戦闘用に、ドライセンとバウの量産型である。
 グレミーは、専用のバウに搭乗し、横には、プルのキュベレイが続く。
「プル、ファンネルの有効範囲内に入ったら、すぐに攻撃を始めろ。さすがに、今回の敵は、厄介だ。全機、作戦を一部修正する、威力偵察を主目的にしながら、出来る限り、敵のMSを墜とせ。」
「「「はっ!」」」

「敵が向ってくるスピードが、速くなった。何機か、墜ちたな。」
 アーガマを発進し、ウェーブライダーに変形したZのコックピットのコンソールには、グレミーのMS部隊が、向ってくるスピードが速くなっているのが、解る。
『この感覚…。』
「フォウ!」
「こっちが、当たりを引いたみたいね。来るわ!!」

「来た!行っけえ!!」
 ファンネルの有効範囲に入り、すぐに、プルはファンネルを射出する。
『さて、相手は誰かな?』
 アーガマのMS隊が、左右に展開した事を確認していたグレミーは、どちらの部隊に、クワトロやカミーユといった、ニュータイプ能力を持つパイロットがいるかを考えていた。
 彼らが、プルとどこまで戦えるかによって、戦術は異なる。
 最悪、プルでは太刀打ちできないとなると、作戦は大幅な修正を余儀なくされるので、さほど力量が開いていない事を願っていた。

「フォウ、右は引き受ける。左を頼む。」
「了解!」
 左右に散ったZとMk.Vは、めまぐるしく動くファンネルの攻撃を回避しながら、1基ずつ、確実に落としていく。
『この距離で、使ってくるなんて。相手の力量か。技術の進歩か。どっちにしても、面倒そうだ。』
 ウェーブライダーから、MSに変形して、残りの2基を落とす。
 ちょうど、その頃、フォウもファンネルを全て落としていた。
「カミーユ、この距離からファンネルを使える敵は、相当に厄介だわ。早めに叩かないと。」
「よし、行こう。」
 Zをウェーブライダーに変形させて、カミーユは、フォウと共に、プルのキュベレイに向う。

「来る。来るよ。グレミー…。強い力。二つの強い力。片方は、もう片方より、もっと強い…。」
 今まで、自分の攻撃をここまで凌いだ敵に遭った事が無いので、プルは気が動転していた。
 何より、今までになく、カミーユとフォウが近づいていたので、自分を凌ぐ強いニュータイプ能力を感じて、どうすればいいか解らなくなっていた。
『プルを凌ぐか…。カミーユ・ビダン。ティターンズとの激戦をくぐり抜けてきただけの事はある…。もう片方も、只者ではないな…。他のパイロットの技量も水準以上。MSの性能でもこちらに全く引けを取らん。ドライセンは、我が軍の最新鋭機で、地球での戦いの主力として開発したのだがな…。』
 カミーユをはじめとする、パイロットの技量とMSの性能にグレミーは口の中に苦い味が広がるのを感じた。
『シャア・アズナブルの部隊と交戦中の部隊も、かなり苦戦を強いられているか。嘗てのジオンの赤い彗星。未だ、その力は健在か…。このあたりで引かなければ、威力偵察どころではなくなるな…。』
 グレミーは、後退信号を示す信号弾を発射して、部隊を纏めて撤退した。

「敵MS部隊、後退していきます。」
「よし、周囲に敵影はないな?」
「はい。先程のMS以外の敵は、おりません。」
 報告を聞いて、ブライトは頷く。
「信号弾を。MS隊を引き上げさせろ。」
「了解。」
 アーガマのブリッジから信号弾が発射され、カミーユ達は帰艦した。

「2割に迫るか…。」
 本営の執務室で、戦闘の損害報告に目を通して、グレミーは苦虫をかみつぶしたような顔をする。
 軍事上の常識では、例え勝利しても、喪失した戦力が1割以上ならば、誇る事は出来ない。
 まして、2割近い損害では、威力偵察の目的は果たせたとしても、完全な敗戦である。
『何より、プルとキュベレイでも、アーガマのニュータイプ達には対抗できないのは痛いな…。通常戦力で何とかするしかないが、これも決して楽ではない。』
 椅子の背もたれに、身を預けながら、グレミーは目頭を揉む。
 予想を超えて強力なアーガマの部隊に加えて、ダカールにはアムロが中核となる、守備隊がいる。
『計画は、相当修正する必要があるか…。とにかく、策を考えねばな。できれば、サイコガンダムを使うのは避けたい。』
 窓から、外の景色を見る。
 年々広がる砂漠は、後、数十年もすれば、確実にダカールを飲み込むだろうと言われている。
『その前に、我らがダカールを砂漠のようにしては、目も当てられぬし、武勲とは言えん…。』
 ダカールが荒れ果てれば、連邦は他の場所に首都を移すだろう。
 そうなっては、ダカールを制圧するのに費やした労力は、まったくの無駄になるし、戦死者は犬死になる。
 第一、交渉のカードにはならない。
 一面の砂漠を見ながら、グレミーは今後の戦略について考えていた。

「威力偵察の目的は達しただろうが、犠牲が多すぎたな。向こうにしてみれば、とんだ誤算か。」
 そう言って、クワトロはドリンクを飲み干す。
「基本的には、向こうのパイロットの腕前は、さほど優れているわけじゃありませんぜ。今までよりかは、ましではありますがね。」
 整備についての打ち合わせを済ませたヤザンが、クワトロの所に歩いてくる。
「そうだな。だが、あれだけの数を投入できるという事は、数だけは侮れん。消耗戦は避けたいな。増援が来ない事を祈るばかりだ。」
 いくら、パイロットの練度というアドバンテージがあっても、次々と兵力を繰り出されては、疲労が蓄積して、満足に戦えなくなる。
 そうなる前に、勝負をつけたい。
 クワトロは、そう考えていた。

『やはり、投入せざるを得ないか…。なるべく避けたかったが、戦力を分断すれば可能だろう…。』
 グレゴリオの執務室で、グレミーは使いたくなかった手段を使わざるを得ないという結論に達した。
「ベアトリーチェ。書類の決裁が終わり次第、私の執務室に来てくれ。」
「ちょうど終わった所です。直ぐにまいります。」
 ブラウンの髪を結った、若い女性士官。
 グレミーの副官にして、最もグレミーの真意を知っているベアトリーチェ・ブリッツィが、通信でグレミーの執務室に行く事を告げる。
「うむ。」
 頷いて、デスクの通信端末のスイッチを切ったグレミーは、背もたれに体を預けて考えこむ。
『さて、どれだけ、当てになるか。今後の秤にもなるが、それなりに使えなくては困るというもの。残しておいた意味がなくなるからな。』

後書き
軽く威力偵察をする予定が、見事に火傷を負ったグレミー。
敵の戦力を図る為の威力偵察は、必要ではありますが、それで損害を被り過ぎては論外です。
とは言え、オールスター勢揃いのアーガマでは、仕方ないですね。
犠牲は大きかったが、得られた貴重な敵戦力情報。
これは、どう利用されるでしょうか。





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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
まずは、プルVSカミーユ&フォウの前哨戦でしたね。 グレミーが巻き返しをはかるのは、当然として、サイコガンダムを使わないならば、早くもニュータイプ(クローン)部隊を出すのでしょうか。
それと上空から、偵察をしていた物が気になります。PS、Yahoo!で調べたんですが、小隊って何人位なんでしょうか?
時代と国に寄っては、かなり異なる見たいですね。
僕は、初代マクロスを見ていて(年がバレる…)スカル小隊が四人だから、1小隊が四人だと思ってました(笑)
では、続きを楽しみにしています。(o^-')b
タケゾウ
2012/05/20 01:06
いよいよ、戦いが始まりましたね。 初戦のプルVSカミーユ&フォウは、二人の貫禄勝ちでしたがグレミーが、どう巻き返すか?
サイコガンダムを使うのを否とするなら、量産型キュベレイ(クローン部隊)か?と思いましたが、あれは対ハマーン用に置いて置く気がするし…
次の一手が、ダカール戦をどう動かすのか。
続きが楽しみです。

PS、Yahoo!で調べたんですが、一小隊って、何人位なんでしょう?国や時代で、それぞれ違う見たいですが…
初代マクロスを見て、スカル小隊が 四人だったので四人だと思い込んでました。(年がバレますね)(泣)
タケゾウ
2012/05/20 13:07
すいませんm(_ _)m最初のコメントが遅れて無いと勘違いしました。
似た様なコメントを連続で…
後のは無視して下さい。(泣)
タケゾウ
2012/05/20 15:49
タケゾウさん。
コメントありがとうございます。

>グレミーが巻き返しをはかるのは、当然として、
>サイコガンダムを使わないならば、早くもニュ
>ータイプ(クローン)部隊を出すのでしょうか。
 さて、どうでしょう?
 一つ言える事は、さっさと切札を出すのは、凡将
 でも出来る事。
 グレミーがそうであるか否か、それが今後の戦略
 に影響を与えるでしょうね。
 それに、彼にとってはまだスタート地点ですしね。

>小隊って何人位なんでしょうか?
 これは、国によってだけでなく機種によっても、
 分かれるようです。
 第二次大戦前まででは、スペイン内戦が起こるま
 で、戦闘機だろうが爆撃機だろうが、3機で1個
 小隊だったようです。
 その後、スペイン内戦で、ドイツ空軍のエースパ
 イロット、ヴェルナー・メルダースが編み出した、
 2機で分隊を編成するロッテ戦法の影響で、2個
 分隊で1個小隊とするようになってから、戦闘機
 は1個小隊は4機で編成され、他の機種に関して
 は、今迄通り3機で1個小隊で運用されたようで
 す。
 現在の戦闘機は、1機で様々なミッションをこな
 す、マルチロールファイターが主流ですから、4
 機で1個小隊のようです。
 マクロスも、この影響を受けて、4機で1個小隊
 を編成していたと考えられます。
CIC担当
2012/05/21 22:46

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