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zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第14話 人と砂漠と

<<   作成日時 : 2012/02/03 21:39   >>

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 地球連邦の首都、ダカール。
 地球連邦成立前は、セネガルという国家の政治と商業の中心であった。
 周囲が、日に日に砂漠に浸食されているこの地を巡って、戦いが繰り広げられていた。

「第1小隊、左翼に展開。敵の突進を阻め。旧式とはいえ、砂漠用のドムの性能は侮れない、気を引き締めろ。」
「了解。」
 ダカールを守備する部隊に指示を出したアムロは、2機のMSを撃破しながら、戦況を確認する。
『五分か。俺の直属部隊の担当する区域は、押しているな。』
 その時、ダカールから通信が入る。
「第6支援中隊。前線に復帰します。」
「よし、展開区域を暗号化して送る。頼むぞ。」
 第6支援中隊はジムVで、編成されている。
 元々は、ジムUを新技術で改修したMSだが、多くのミサイルランチャーを装備する事が可能になったことで、後方支援に適性のあるMSとなっていた。
 アムロは、部隊を、近中距離を担当する部隊と、後方支援を担当する部隊に分けて運用していた。
「第6支援中隊の支援を受けつつ、敵を押し切る。続け!」
 アムロの乗機は、Zガンダムを、カラバが再設計したZプラスだが、アムロ向けにチューンしたZプラスUである。
 かなり、乗り手を選ぶ機体になったが、アムロは難なく乗りこなしていた。
 アムロの直属部隊は、Zプラスが3機とファートゥス6機で編成されている。
 Zプラスの主兵装のビームスマートガンは、射程距離が長く、後方支援にも使えるので、当初はファートゥスのみにするつもりだったが、3機を加えることによって、仮想的に後方支援部隊と、近中距離用部隊の混成部隊となっている。
 アムロはそれを活かし、直属部隊で相手に苦汁を舐めさせている。

「くそ!アムロ・レイか。指揮官なら指揮官らしく、後ろにいればよいものを!やむをえん。続け!!」
 今回の攻略作戦の指揮官であるジオン軍の残党が、周辺の連邦軍の基地から奪取した、ガンダリウムαの装甲板やビームバズーカ等で改修した、ドム・トローペンを駆り、アムロの部隊に向かっていく。
 指揮官が率いる部隊は、ドム・トローペンで編成されており、重力下においては、連邦のMSに比べて、アドバンテージを持つ。
 それを、最大限に活かして戦うつもりだった。
 が、次の瞬間、彼の機体は上空からの攻撃で、四散した。

「何だ?」
 突然の事態に、アムロは落ち着きを取り戻し、IFFを照合する。
「いいタイミングだ。」
 そう言って、小さく笑うと敵味方含めて全部隊に向けて回線を開く。
「宇宙から、援軍が来たぞ。主力はニュータイプ専用のガンダムタイプ4機。他も、新型ばかりだ。」
 それを聞いた、ダカールの守備部隊は喜びの声を上げるが、ダカール攻略部隊は、顔色を真っ青にして、声が出なかった。
 只でさえ、目の前には、アムロ・レイという、歴戦のニュータイプがいるのに、さらに4機のNT専用機が来るのでは、無理もない。
 恐れが原因となり、攻略部隊の動きは目に見えて悪くなる。

「敵部隊、陣形が乱れています。」
『いけるか?』
 降下してからの奇襲をかけたブライトは、このままうまく行けるかと、考えた。
「ベースジャバーを使用するMS隊がサポートに入ります。数6。機種はマラサイ。ティターンズの残党かと思われます。」
「アムロから、聞いてはいたが…!」
 苦虫をかみつぶしたような表情になるブライトだが、すぐに冷静さを取り戻す。
「よし、クワトロ大尉とエレオノーラ少尉はアムロ達の部隊に加勢。Gアーチャー隊は援護に入れ。ティターンズの残党は、カミーユとフォウ少尉を中心に叩け。」
「「了解!」」

「あの金色を狙え!」
 ザクを支援用にしたザクキャノンに乗った、ジオンの残党のパイロットが命令を出し、百式を狙うが、かすりもしなかった。
「そんな旧式で、この百式とは張りあえんよ。」
 クワトロは、冷静にトリガーを引き、ビームライフルでジオンの残党たちを撃破する。
 エレオノーラは、フライングアーマーから飛び降り、両脚に装備された地上戦用ユニットを十二分に活用して、ザクやゲルググといった旧式で、向ってくる残党たちを、返り討ちにしていた。

「くそっ!!何て、プレッシャーだ!」
 魔女狩りの対象の様にされた、Zのサイコミュを通じてカミーユが感じる、ティターンズ残党の怒りは凄まじく、撃破しながらも、いつもの切れが無かった。
 力任せに暴れている。
 そんな感じだった。
「カミーユ…。」
 モニター越しにそれをみたフォウは、雑ともいえるカミーユの戦いぶりの理由を悟り、カミーユの前に出て戦う。
「サイコミュが敏感すぎる?違う…。カミーユが敏感すぎる…。」
 ニュータイプや強化人間の気配や、人間の感情に対する感受性が強いカミーユには、目の前のティターンズの残党の怨念ともいえる怒りは、きつい事をフォウは悟っていた。

「アマデウス、アレン、ひと暴れするぞ!」
「「了解!」」
 ラオプフォーゲルは、MA形態なら大気圏内でも宇宙でも、飛行が可能である。
 ハードポイントにミサイルを装備した、ラオプフォーゲル隊はミサイルを一斉に発射すると、隊形が乱れたティターンズの残党を確実に仕留めて行く。
「さすがね。でも、私も負けはしないわよ。」
 救援に駆け付けたマラサイ3機の攻撃を見事に回避しながら、ビームライフルとクレイバズーカ、シールド内蔵ビームガンを使用して、全て仕留めた。

「よし、残りを一気に蹴散らすぞ!全機、俺に続け!」
 アムロのZプラスUを先頭に、MS隊が残りの敵を蹴散らしにかかり、数分後、戦場に残っているのは、アムロが率いる部隊と、アーガマのMS部隊だけだった。

「敵MS部隊、全滅を確認。」
「ダカールから通信。誘導に従い、基地2番ポートを使用されたし。」
「よし、ダカールからの誘導に従い、着陸しろ。」
 駐屯基地には、ガルダ級等の輸送機や大気圏行動能力を有した艦船が着陸する為のポートがあり、アーガマはその一つに着陸した。

「こうして、直接話すのは、一年戦争以来か。元気だったか?ブライト。」
「いろいろあったが、元気だ。そちらも大変だったそうだが、元気そうで何よりだ。」
 ブライトとアムロ。
 共に、一年戦争を戦い抜いた、戦友である。
 ブライトは閑職を転々とさせられ、アムロは、ニュータイプとしての能力を恐れられた為に、監視付きの軟禁生活を強いられた。
 お互い、苦労をしてきた為に、尚更、再会は感慨深かった。

「フォウ少尉は、役に立っているか?」
「ああ。すっかり、アーガマの中核だよ。」
「そうか。正直、俺の部隊からは外したくなかったんだが、カミーユがアーガマにいるのなら、そっちにいた方がいいと思ってな…。」
「ああ、そうだったな。」
 カミーユとフォウが恋仲である事は、アーガマの乗員で知らない者はいない。
 無論、ブライトも知っていた。
 小さく笑って、ふと、アムロの顔を見ると、その視線は、どこか、遠くを見つめていた。
「どうした?」
 何か、嫌な予感がしたブライトが、アムロに声をかける。
「進んでいるんだよ。砂漠化がまた…。」
「そうか…。クワトロ大尉から、聞いていたし、噂も耳にしていたが…。」

 ダカール周辺は、乾燥して埃っぽい平原が大半を占めているが、近年、砂漠化の進行が著しく、しかも、年を追うごとに、そのスピードは増している。
 ダカール防衛の指揮を取っているアムロは、それを嫌になるほど、理解していた。

「じゃあ。」
「うん。やっぱり、あたしがこっちにいた時より、砂漠化が速くなっているわ。
クワトロ大尉の演説の時は、私の治療が終わる少し前だった。その後、アムロ大尉の直属部隊に所属して、幾つかの作戦に参加してダカールの防衛にあたっていたの。その時でも、砂漠化が速い事が、肌を感じて解る気がしたもの。このままだと、そう何年もしない内に、ダカール自体が砂漠に飲み込まれてしまうかも。」
 カミーユはフォウから、ダカール周辺の砂漠化の速さを教えられていた。
「クワトロ大尉の演説の時には、僕も作戦メンバーの一人だったから、ダカール周辺を見て、その内、そう何年もしない内に、砂漠になるかもとは、思っていたけど。やっぱりか。」
 カミーユとフォウは、二人で遠くを見つめていた。

「カミーユ、フォウ。」
「お久しぶりです。アムロ大尉。」
「お元気で、何よりです。大尉。」
 二人はアムロを見ると、姿勢をただし、敬礼する。
「そんなに、肩肘を張らなくていいさ。二人とも元気そうで何よりだ。」
 カミーユが地球にいる時は、カラバの一員として共に行動し、パイロットとしての指導を幾らかし、フォウは、嘗てはアムロの直属の部下だった。
 その二人が元気でいる姿を見て、アムロは笑顔になる。
「これから、ブライトと食事なんだが、よければどうだ?」
「「ぜひ。」」

 アーガマの食堂で4人は、しばらく、和やかに食事をしていたが、すぐに今後の話になる。
「今の所は、ティターンズが所持しているのはマラサイまでのようですね。それだったら、何とかなりますよ。」
「だが、向こうの怒りが、機体のポテンシャルをさらに引き出している。まさに、火事場の馬鹿力といったところかな。」
 うまく、肩をすくめようとしたアムロだが、そうはいかなかった。
「旧ジオンの残党は、博物館級の機体でも、油断が出来ない。人の執念という奴は馬鹿に出来んな。」
 コーヒーを一口飲んだブライトが、深刻な口調で言う。
 ザクやドムといった旧式機は、砂漠戦用は侮れないが、基本的には、ファートゥスやジムVどころか、ネモにも性能面では大きな差がある。
 それでも、防衛隊が油断できない戦況になっているのは、まぎれもない執念だと、ブライトは見抜いていた。
「最悪のシナリオは、ネオジオンが、新型機を連中に供与することだな。そうなると、戦況はかなり厳しくなる。」
「そうだな。サイド3にコンペイ島まで取られたとなると、MSの製造能力は、著しく向上する。」
 アムロの言葉に、ブライトが腕を組んで考え込む。
 コンペイ島には新型MSの開発工廠もあり、ここを取られた事は、戦略上、非常に痛い。
 連邦にエゥーゴ、カバラが使用しているMSを凌駕する新型を、開発する事は充分に可能だからである。
「砂漠での戦いでの適応能力が非常に高いMSが来ると、面倒ですね。数が揃うと、今後の戦いに影響するでしょうし。でも、我々は、増援のアテもない。現状の戦力で、なんとか凌ぎきるしかないですから。」
 カミーユがカツレツを咀嚼して飲み込んでから、そう言う。

「アムロ大尉の専用機って、まだ、完成していないんですか?」
「何だ、それは?」
 フォウの言葉に、ブライトが反応する。
「カバラが、各地のNT研究所からスパイ活動で得た資料と、アナハイムの協力を取りつけて、俺専用に開発している、NT専用のガンダムタイプのMSだよ。そろそろ完成するころだと思うんだが…。」
 「まだだろうか。」と、アムロは顎を掴む。
「凄いじゃないですか。大尉がNT専用のガンダムに乗れば、戦力アップは相当なものですよ。」
 カミーユが声を弾ませる。
「資金援助も凄いの。資金に、糸目はつけないで、開発しているのよ。」
 フォウが、カミーユに笑顔で言う。
「期待させてもらうか。それにしても…。」
「うん?どうした、ブライト。」
 気になったアムロは、ブライトの顔を見る。
「これ程までに、砂漠化が進んでいるダカール周辺の地帯を見ると、思わざるを得ないな。砂漠は病んでいて、その容体は、日に日に悪くなっている。それを手に入れようとしている人間がいる。いや、違うな。地球そのものが病んでいて、今は休ませなければいけないのに、人間はそれを許さないどころか、さらに病気を深刻にしている。そんな風にな…。」
 ブライトの言葉を聞いて、皆、黙りこむ。
「クワトロ大尉じゃないですけど、一度、人類を宇宙に上げるべきなのかもしれないですね。その間に、地球を癒す術を考える。連邦の首都は月にでも置けばいいですし…。」
 食事を再開したカミーユが、静かに口を開く。
「それも、一つの方法かもしれないな。コロニーを少し増やせば、なんとかなるだろう。元々、地球には一部の特権階級と不法居住者しか住んでいない。人類のほとんどが、宇宙で暮らしている。やろうとすれば、やれるな。それぐらいは必要なのかな…。広がる砂漠を見ている人間の1人として。言わせてもらえばな…。」
 そう言って、アムロが食事を再開したのをきっかけに、ブライトもフォウも食事を再開した。

後書き
ダカールだけではありませんが、地球の砂漠は広がり続けていますね。
人が文明を発達させればさせるほど、その対価を地球に肩代わりさせている。
そう思えてきます。
ひょっとしたら、文明は病気では?
と、思う事も、しばしばあります。
一度、感染したら最後、際限なく発達と安楽な暮らしを求め、さらに地球に対価を肩代わりさせる。
さりとて、昔には戻れませんしね。
厄介な事です。





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