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zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第16話 η(エータ)起動

<<   作成日時 : 2012/02/24 22:09   >>

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「くそ!あんな、子供だましに、引っ掛かるとはな!砲撃手、何やってんの!?援護射撃を、途切れさせるな!ミサイル発射用意。右翼から回り込もうとするMS部隊に、コースを設定。時限信管で起爆させて、近づかせるな!撃っ!」
 アーガマから、ミサイルが一斉に発射される。
「散開!」
 しかし、時限信管で起爆したミサイルは、MSを少なからず巻き込む。
「さすがだな。ブライト。第3支援中隊、敵が態勢を立て直さない内に、出来る限り数を減らすんだ。第1中隊、もう少し、堪えてくれ。」
 アムロの指示が、下され、ジムVの肩部のミサイルポッドから、無数のマイクロミサイルが発射され、さらにビームライフルが発射される。
「ちっ!やむをえん。後退せよ。」
 ダカールを攻略しようとしたジオンの残党たちは、撤退を開始した。

「敵部隊、撤退。こちらへの攻撃の意思を捨てた模様。」
「よし。MS部隊、アーガマへ帰投させろ。補給・整備、急げ。次が来るかも解らん。」
 指示を出してから、ブライトはけだるそうに、シートに体を預ける。
「艦長。少し、お寝すみになられては?ここは我々だけで、大丈夫ですので。」
 様々なケースを常に想定しながら指揮をするブライトの心労は、並大抵のものではなく、精神的にも肉体的にも疲れ切っていた。
 無論、ブライトだけではない。
 戦闘を隠れ蓑にして、ハマーンが新型MSを送るという、アムロが考えていた最悪のケースに重なり、援軍も到着し、ジオン、ティターンズの残党に加えて、ネオジオンの部隊も加わり、MSの質はほぼ互角。
 だが、数の上では劣勢に立たされていた。
 今は、ブライトの指揮と、アムロ達の奮戦で互角の戦況を維持しているが、それも、何時まで持つかを考えると、ブライトは休む気にもならなかった。

「ふむ。そうか。しぶとい。」
「申し訳ございません。」
 悔しさをにじませながら、謝罪する士官を、ラカンは黙って見る。
「無駄な戦いではない。数の上では、我らが有利。士気も高い。いずれ、奴らの疲れがピークを迎えたところで、私自らが先頭に立ち、ダカールを手中に収める。今は、奴らの戦力を削ぎ取り、疲労を蓄積させるのが目的だ。無理をせずに退いた、お前の判断は、正しい。御苦労であったな。今日は酒でも、飲んでゆっくり休め。」
「はっ。」
 士官が執務室を出てから、端末を操作して、ラカンは戦況を分析する。
『とは言え、一筋縄ではいくまい。やはり、要はアーガマ。それに、アムロ・レイ。この二つを叩かねば、我が軍に勝利は無い。だが、腕利きのニュータイプに強化人間ぞろい。さて、どうするか…。』
 逞しい腕を組みながら、ラカンは作戦立案に入った。

「大丈夫か?ブライト。」
 今後の作戦について話し合いに来たアムロは、疲れきっているブライトを見て、心配そうに話しかける。
「アムロか。大丈夫だ。最前線で戦っているパイロットたちの方が、よほど疲れているはずだ。これしきの事で、参るわけにはいかんさ。」
「あまり、無理はするな。さっき、通信が来た。2時間後にカラバからの、補給が来る。新たに新型のMSを積んでな。もちろん、パイロット付きだ。それでも、数は劣るが大分楽になる。到着後、今後の作戦会議と行こう。それまで、横になっていろ。いいな。」
 そう言って、アムロはブライトの肩を、ポンと叩く。
「解った、そうさせてもらう。ここを頼んでいいか?」
「ああ。こっちの方は済んだからな。」
 ブライトがブリッジを出てから、アムロがキャプテンシートに座る。

「助かりました。大尉がいなかったら、艦長は絶対に休まなかったでしょうから。」
 トーレスが礼を言う。
「ホワイトベースの艦長をしていた時から、こういう所は頑固でね。中々、休もうとはしなかったよ。」
 そう言って、医務室に通信を繋ぐ。
「済まないが、艦長にブドウ糖と高カロリー点滴を。2時間で終わるように、頼む。」
「解りました。直ぐに。」
『これで、ブライトの疲労もそれなりにとれるだろう。』
 そう考えながら、通信をおえる。

「そう言えば、新型って、どんな機体なんですか?」
「うん?ちょっと、待ってろ。」
 アムロがメモリーカードのデータを、メインスクリーンに表示する。
 MSA−003R ネモU
 ネモを再設計。
 各部を、改良した機体である。
 スラスター推力は35%向上し、ジェネレーターはディジェと同型を搭載。
 より、強力な武装が使用可能となった。
 ビームライフルは、ガンダムMk.Uの物を改良。
 腕部には、75mmガトリング砲が内蔵されている。
 さらに、豊富なオプション装備が用意されており、支援型にも、最前線で戦う白兵戦しようにも、状況に応じてオプションを換装することで対応する。
「すごいですね。いろんな状況に対応できても、基本的には同じ機体ですから、部品は共通か。」
「補給を考えると、楽だろうな。」
 複数の機種や装備を運用していると、どうしても補給面で問題が生じる。
 輸送する物資の種類が増えるので、どれかが欠けても運用に問題が生じる。

「それに、ようやく来たんだよ。俺の専用機がな。」
 アムロは、自分の専用機のデータを表示する。
「な、何ですか?これ…。」
「こんなの、人間が使えるんですか?」
 トーレスとキースロンが、表示されたデータを見て唖然とする。
「使えるかじゃない。使いこなしてみせるんだよ。開発スタッフの苦労に報いる為にもな。」
 毅然とした態度で、アムロは言い放った。

「如何ですか?艦長。」
 翼状針の後に、絆創膏を貼りつけながら、アーガマの軍医ハサンが訊ねる。
「大分、気分がよくなった。随分無理をしていたのが、今になってようやく解ったよ。」
 ブドウ糖と高カロリー点滴で、疲れた体に力を注がれたブライトは、そう言って軍服に着替えようとする。
「その前に、よろしいですかな。」
 聴診器で、心音や呼吸の具合を確かめ、脈を見る。
「だいぶ良くなっていますが、くれぐれも無理はなさらずに、休める時には休んで、食事もきちんと取ってくださね。」
「解った。ありがとう。」
 ブライトは、作戦会議に向う。

「向こうの策は、こちらの戦力の消耗がピークに達した時点で、予備兵力を動員し、一気に叩く。これで間違いないだろう。味方に出来る限り損害を出さずに、ある程度、こちらの戦力を削り取るような攻め方が、その証だ。」
 作戦会議が始まると、ブライトが最初に、自分の予想を皆に話す。
「そうだな。退き際がよすぎる。今までのジオンの残党は、そんな戦いはしなかった。袋の鼠になれば、一人でも多くの連邦兵を道連れにしようとし、そうでなくても、劣勢になった程度で、退くのは珍しい。」
 各地のジオン残党は、補給線が無いに等しい。
 それこそ、一度きりの戦いが限界の者達が、多くを占めている。
 反連邦の考えを持つ者は多くいるが、その中でジオン残党を支援できる者はいても、全てを支援する事は出来ない。
 ある程度の実績を残すまで、生き残った者達だけが、支援を得る事が出来るのだ。
「そろそろ、向こうも本気になるだろう。子供だまし同然の作戦が功を奏して、MSは新型で、兵も揃っている。頃合いを見て、潰しに来るな。」
 アムロが、スクリーンに映った、ダカールを見る。
「こちらも、新型が来ています。ファートゥス、ジムV、ネモU。うまく活用すれば、数の不利を覆す事は、出来るはずです。数が揃うのと、数を活かすのは別ですから。」
「そうだな。だが、あのザクの新型に乗っている指揮官は、数を活かせる。これを阻むとなると、撃つまでいかなくとも、誰かが徹底的にマークして、指示を出す暇を与えない事だな。」
 クワトロがすっかり冷めたコーヒーを、一口飲む。
「こちらの精鋭の内、最低一人を、敵の指揮官に行かせる必要があるが、誰が行くかだ。」
 実を言うと、これが難問だった。
 クワトロは、アーガマのMS隊の隊長という立場から、不可能である。
 アムロは、ダカール守備隊の指揮を取らねばならない。
 カミーユは、クワトロをサポートして戦うという大事な役目を背負っている。
 アーガマ及びダカール守備隊の最強のパイロット3人が、それぞれの義務故に、自由に動くのが難しいのである。

「ブライト。守備隊の指揮を頼む。指揮官は、俺の直属部隊で叩く。フォウ少尉にしろ、エレオノーラ少尉にしろ、大事な人材だ。失うわけにはいかない。大丈夫だ。俺もまだ死ぬつもりはない。」
 心配そうに見る一同に、アムロはきっぱりと言う。
「解った。ラオプフォーゲル隊は、敵部隊を徹底的にかき回せ。他の部隊はその間、何としても、敵の攻勢を持ち堪える。」
 作戦の骨子が定まり、細部を詰め始めて行く。

 襲撃は無いが、常に出撃可能にしておくために、格納庫では、整備員達が忙しくMSの整備をしていた。
「急げ。ラオプフォーゲルには、マイクロミサイルを可能なだけ搭載しろ。シャマーネ、アラン、サイコミュの調整はどれ位で終わる?」
 出撃準備の指示を出しながら、アストナージは、百式やZをはじめとするNT専用機のサイコミュ調整の状況を確認する。
「後、7分もあれば、終ります。」
 眼鏡をかけた、生真面目そうな青年。
 アムロ専属の、サイコミュ担当技術者のアラン・ナガタが答える。

「それにしても、見れば見るほど、今までの機体とはフォルムが違うな。異形ってのは、こういうのかもしれねえ。」
 MSK−006N ηガンダム。
 それが、アムロの専用機の名である。
 カラバがスパイ活動で、各地のニュータイプ研究所から得た資料や、アナハイムの技術協力を得て、操縦系やセンサー系統にサイコミュを組み込み、コストを完全度外視して開発した機体である。
 その、細身で青が大部分を占め、白と赤で塗装された機体は、既存のMSとはまるで違う外見をしており、異形という言葉が、見事に当てはまる。
 特に目を引くのが、バックパックのマニュピレーターで動く、ビームキャノンを内蔵した大型シールドと、右肩のマニュピレーターで動く、連装ビームキャノンである。
 さらに、ビームサーベルは、ヒートソードと一体化したような形状をしており、ライフルを除けば、とにかく、今までのMSとは、違い過ぎた。

「よし、アーガマ隊、サイコミュ調整終了。」
「こっちも、終了。いつでも、出れますよ。」
 5機のNT専用機の、サイコミュの調整が終了して、MS部隊はいつでも出撃可能となった。

「攻略部隊。いつでも、出撃できます。」
「うむ。補充された新型の性能、確かめさせてもらうぞ。」
 自身の専用機のコックピットに、入る。
 AMX−011 ザクV
 ザクの後継機であり、汎用性に優れるが、同時期に開発された他の試作機が量産機として採用された。
 しかし、機体自体の性能は優れている為に、廃棄するのは惜しいと考えたハマーンが、実戦用に多少の改修をしてから、一年戦争からのベテランで優れた指揮官でもある、ラカンに与えた。
「ラカン・ダカラン。出るぞ。」
 ベースジャバーに乗ったザクVを先頭に、グレミーの乗機である、バウがベースジャバーに乗って続く。
 さらに、砂漠用に改修したドライセンが、砂塵を巻き上げながら、続く。

「敵部隊発見。こちらに向ってきます。」
「数は?」
「おそらく、3個中隊規模かと。」
「まだ、本気では来ないか。総員、第一戦闘配置。MS隊発進用意。繰り返す…。」

「聞いたか?アムロ。」
「ああ。こいつが、実戦でどこまで通用するか、試させて貰うさ。」
 アムロは、ジェネレーターを稼働させて各部をチェックする。
「先に出させてもらう。アッシマー第1中隊、ネモU、第1、第2中隊、発進せよ。」
 ベースジャバーに乗った百式を先頭に、アーガマのMS隊とネモUの部隊が発進して行く。

「チェック、オールクリア。機体に問題は無い。」
 専用に開発されたライフルを手に、格納庫を出て行く。
「アムロ、ηガンダム、行きます!」
 アムロという最高の乗り手を得たηガンダムは、総推力350000kgのスラスターを吹かして、大空に舞う。

後書き
大ポカをやらかしてしまいました…。
この回をUPせずに、先の話をアップするとは…。
戦史を見ますと、名称と呼ばれる指揮官が、割合単純な手に引っ掛かる事は、少なくありません。
ネオジオン側の元ネタは、上杉謙信です。
織田勢に包囲された毛利に、軍資金を援助する際に、杖の中に砂金を詰めて僧侶に扮した者に運ばせた話です。
カラバは、補給路がきっちりしてますが、ジオンの残党は骨董品を、連邦軍の基地から奪取した物資で、動かしているので、補給路なんてありませんからね。
そして、新型MSにアムロの専用機も届けられます。
つくづく思いますが、補給路は大事ですね。本当に。

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