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zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第15話 戦いの裏で…。

<<   作成日時 : 2012/02/10 23:55   >>

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『シャア・アズナブル、カミーユ・ビダン、そして、アムロ・レイ。歴戦のニュータイプがこうも揃うと、ダカール占拠は一筋縄ではいかんな…。』
 地球の戦況の報告を聞いたハマーンは、苦い顔をした。
 しかも、シャアとカミーユはNT専用機に、そして、情報ではカラバもアムロの専用機である、NT専用機の開発が間もなく終了するという情報が入っている。
『各サイドの連邦部隊の封じ込めには成功したが、エゥーゴの部隊を完全に抑え込んでいる訳ではない。エースパイロットを全員撃墜できなかった事が、ここまで響くとはな…。』
 宇宙では、ユウを隊長とする、エゥーゴのMS部隊に苦戦を強いられていた。
 なんとか、サイド5からの物資輸送は成功しているが、護衛戦力は、かなり苦しい状況になっている。
『地上にも、新型を送らねば、戦況は苦しくなるどころか、こちらが殲滅されかねん。何とかせねばな…。』
 これまでの戦闘と、宙域図をデスクのディスプレイに映しだす。
「やるしか、あるまい…。」
 ため息交じりに呟いたハマーンは、参謀や司令官達を招集した。

「ふむ。思ったより、補給物資も充実しているな。」
 MSの整備区画や物資貯蔵区画を見て、クワトロが感心する。
「溜めこんでいる物資を食いつぶしての、籠城戦じゃないさ。きちんと補給路は確保してある。その点、向こうは苦労している。だからこそ、周辺基地から物資を奪っているからな。」
 今のジオン残党に、カラバの補給ラインを断ち切る力はない。
 常に護衛が付いている為、それをやりあうのが精一杯だ。

「だが、ティターンズの残党が合流してからは、事情が違ってきている。向こうにも、ベースジャバーや、アッシマーもあるからな。」
 アムロが目の前のMSを見ると、クワトロも見上げる。
「敵にも味方にもあると、奇妙な気分だが、脅威になる事は確かだな。」
 NRX−004 アッシマー
 地球連邦のニュータイプ研究所の一つ、オークランド研究所で開発された、連邦軍初の可変型MSであり、以前、カミーユやクワトロも一戦交えた経験がある。
「味方だと、こいつは使えるよ。頑丈だし、ビームサーベルを持たせれば、ある程度は空中戦も可能だ。乗っている連中も、これで一人前になったから、機体の事は知り尽くしている。」
「では、相手のアッシマーの相手は、彼らに任せよう。我々は、他のMSの相手をして、少しでも戦力を減らす事に専念する。これで行こうと思うが、どうかな?」
 クワトロが、当面の戦術プランをアムロに提案する。
「そうだな。それでいいだろう。ところで、あのGアーチャーという機体についてだが、基本的には前線を受け持つ部隊に、配属させた方がいいんじゃないかな?前線でもバックアップをしてくれる部隊があれば、こちらも助かるしな。」
 Gアーチャーの火力は、ジムVを上回る事から、当初はジムVと共に行動してもらおうと考えたが、高い機動性から、むしろ、前線に配属させた方が、性能を発揮すると、アムロは考えた。
「そうだな。遊撃部隊とするか。それにしても、ジオンの残党の執念たるや恐ろしいな。あのような旧式で、我々と張り合おうとするのだからな。」
 戦いの中で見た、ジオン残党のMSは、加速度的に進化した今のMSと比較すると、もはや、骨董品である。
 それでも、幾度もダカールに攻撃を仕掛け続けられるのは、執念ゆえだろうと、クワトロは見ていた。

「敵MS部隊、接近。数、2個中隊。MS隊は直ちに迎撃に出撃せよ。尚、上空には、アッシマー1個中隊が確認されている。繰り返す…。」
 MS整備区画に、放送が響き渡る。
「アッシマー第3中隊は、直ちに出撃。クワトロ大尉。出撃と彼らの指揮をお願いしたい。」
「了解した。カミーユ。出番だぞ。」
「はい。」
 それぞれ、自分のMSに向かって走っていく。
「第5、第6支援中隊は、クワトロ大尉達の援護に回れ。」
 アムロは、きびきびと、指示を出す。

「敵MS部隊接近。数12。MS隊出撃せよ。繰り返す。」
 アーガマ級巡洋艦ベルレフォンに、敵接近の放送が響く。
「敵の母艦は?」
 艦長のエドモンド・キャンベル少佐は、オペレーターに確認する。
「今の所は。」
 それを聞いたキャンベルは、シートを指先で叩きながら考える。
「全艦、艦隊戦用意。360度索敵。ダミー放出用意。MSが陽動の可能性もある。警戒を怠るな。」
 麾下のサラミス改級巡洋艦アルデンヌ、アミュール、クレルヴォーにも、命令を伝える。

「そうか。地上も宇宙も、始まったか。準備は出来ているな?」
「はっ。既に。」
 ダカールと、エゥーゴのファートゥス隊の戦いが始まった事を確認すると、ハマーンは何かの確認をする。
「よし、では、始めろ。迷子にさせるなよ。」
「はっ!」
 それからしばらくして、サイド3方面から、巨大なデブリの様なものが地球に向けて、幾つも降下していった。

「?」
 目の前のガ・ゾウムを撃墜したユウは、コックピットに一瞬、何かが降下する様を見かけた気がした。
『何だ…?』
 だが、考える暇もなく、ガザDの編隊が向ってくる。
 ガザCに比べれば、性能は向上しているが、ファートゥスの敵ではない。
 それでも、ユウは気を抜かずに、一機、また一機と、確実に撃破していく。
 戦況はエゥーゴ側に優勢のまま、戦いは続いたが、しばらくすると、ネオジオン艦隊は撤退していく。
『潔く撤退し過ぎる…。余計な犠牲を払いたくなかったからか、なら、もう少し早く引いても良かったはずだ。』
 母艦に帰投するユウの頭をよぎったのは、さきほど見た、何かが降下する様だった。
『まさかな…。』
 ユウは、考えるのをやめて、母艦に着艦した。

「カミーユ、アッシマー隊の援護に向え、第3中隊は第5中隊の撤退の援護。」
 アッシマー隊がやや不利と見たクワトロは、カミーユを援護に向かわせる。
 その間に、損傷がたまった第3中隊を下がらせて第5中隊を前面に出す。
「フォウは、第3中隊を側面から援護しろ、ラオプフォーゲル隊は、私と共に、中央突破を図る、砂漠仕様のゲルググキャノン部隊を撃破する。第2中隊、続け。」
 クワトロは自ら、中隊を率いて中央のゲルググキャノン部隊を迎撃する。

「今度は、あの時のようには行かないぞ。」
 ガンダムMk.Uを駆っていたころは、てこずったが、今は、NT専用機として開発されたZだ。
 サイコミュを差し引いても、性能は段違いである。
 2機を一蹴する。
 そして、メガ・バスター・ランチャーを発射する。
 凶暴な威力を持つ光に、4機が飲み込まれる。
 形勢は、一気に逆転した。

「それにしても、あんな、骨董品で、よくやるぜ。何が、ああさせるんだか…。」
 ぼやきながらも、ヤザンはゲルググキャノンを屠っていく。
「俺達にない、執念じゃないですかね。中尉。」
「同感。」
 アマデウスとアレンが、話しかける。
「そんなもんかね。」

「砂漠用の装備だと?」
 百式は、砂漠でも自在に動けるように、ジェットスキーを装着していた。
 さらに、関節部は砂漠用にシーリングをしている為に、気にすることなく。戦う事が出来る。
「所詮は、その場しのぎよ!!」
 ゲルググキャノンのパイロットは、ビームキャノンとビームライフルで百式を仕留めようとするが、かすりもせずに、逆に百式のビームライフルが、コックピットに命中する。
 さらに、上空からは、ラオプフォーゲルのASMが降り注ぎ、続いてクワトロが、相手を引きつけている間に、率いてきた部隊が包囲する。
 他の部隊は、殲滅されていた。

「これ以上の戦いは、無意味だ。投降しろ。正式な捕虜として扱う事を、約束する。これ以上、血を流したとて、何になる?もう一度言う。投降しろ。」
 クワトロが降伏勧告をすると、ジオンの軍服を着て、中佐の階級章をつけた、40代の男がスクリーンに出る。
「無意味か…。成程。確かにそうかもしれん。これ以上戦っても、勝ち目はないだろう。だが、それでも、意味があると信じているから、我々は戦っている。まだ、ジオンの志を受け継ぐ者達が、スペースノイドの自由を勝ち取ろうと戦っている者がいるという事実は消えん。だから、俺達にとっては意味がある。」
「ザビ家が牛耳っていた、ジオンか?あのような選民主義に染まったジオンの志を受け継ぐと言うのか?そんな者は、見せかけの自由だ。」
 ジオン・ズム・ダイクンの子として、ザビ家の唱える選民主義が、スペースノイドに真の自由を与えるなどと、クワトロは、到底認める事は出来なかった。

「かもしれん。それでも、俺達は、俺達の意思で戦ってきた。戦えたのは、志があったからだ。」
 その士官は、拳銃を取り出し、こめかみに銃口を当てる。
「ジーク、ジオン!!」
 銃声が響いた途端、こめかみからは、血が流れ、士官は前のめりになった。
 他の者も、士官と最後を共にした。
「クワトロ大尉。撤収しよう。」
「そうだな…。」
 答えるクワトロの声は、乾いていた。

「コース、問題ありません。他の輸送艇も、問題無し。」
 操縦席にいるパイロットは、ディスプレイの情報から、目的地に到達する事を確認していた。
「間もなく、大気圏を抜けます。」
「よし、偽装のパージを準備しておけ。」
 黒い肌で、鍛え抜かれた肉体の指揮官は、そう言うと、格納庫に向った。
「見ていろよ。カラバにエゥーゴ。今度は今までのようには行かんぞ。」
 自分専用に与えられたMSの前で、その士官。
 ラカン・ダカランは、拳を握った。
 しばらくすると、大気圏を抜け、偽装がとける。
 サイド3から、降下してきたのは、様々な偽装が可能な、特殊な輸送艇だった。
 それが、幾つもダカール周辺に向う。

「ハマーン様。例の物は、全て、手筈通り。」
「うむ。ご苦労だった。」
 ハマーンは空を見る。
『さて、どうする?カラバにエゥーゴ、今度は、そう簡単にはいかぬぞ。』
 地上のジオン残党の情報を逐次収集しながら、エゥーゴの部隊を足止めしつつ、偽装を施した輸送艇に各種物資や新型MSを地球に送ったのである。

『さて、ラカンがどこまでやるかだな。もし、手に余るようだったら。誰か、他の者を送らねばならんな。』
 これからの事を、ハマーンは考えていた。
『少し、考え過ぎだな。まだ、ラカンの手に余ると決まったわけではない。』
 考えを打ちきって、デスクワークを続ける。

後書き
戦いにおいて、補給路の確保は絶対条件です。
修理部品、弾薬、食糧、医薬品、その他諸々。
軍隊を運用するには、様々な物資が必要になります。
しかし、ゲリラ的に戦っているジオンの残党が、それを確保するのは並々ならぬ苦労があるでしょう。
そこから、話を考えて見ました。
手としては、何て事はない手です。
しかし、時には有効になります。

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