cogito,ergo sum

アクセスカウンタ

zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第12話 ネオジオン

<<   作成日時 : 2011/12/24 23:15   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

「サイド5とサイド3が、奪還された!?」
 ラウンジでくつろいでいるブライト達は、モニター越しのトーレスから、その情報を聞いて、愕然とした。
 サイド4攻略部隊に勝利したことで、しばらくは大規模な戦闘は無いと考えていたからだ。
「完全な自給自足なサイド5は、おそらく補給の拠点。だが、サイド3は嘗てのジオン公国。コンペイ島はどうだ?」
「落ちました…。」
 嘗てはソロモンといわれたコンペイ島は、内部にはMSの開発工廠がある。
 艦隊の集結地点にもなりえる、一大要塞でもある。
また、周囲には資源衛星も多くある為に、アクシズの戦力は著しく強化されるだろう。
 なにより、サイド3は無傷である。住民を養う様々な生産施設もある。
 ブライトは、サイド3で食糧プラントが製作されて、資源を掘り尽くした衛星に備えられ、食糧供給プラントになり、サイド3自体の軍事力が強化される事を、強く懸念した。

「今やれる事は、サイド5からの輸送航路を遮断する事。連邦軍の動きは?」
「いえ、何も。」
 ブライトは、立ちくらみそうになった。
 連邦の上層部は、事態の重大性を全く理解していない。
 成程、ジャミトフの跳梁を許すわけだ。
 思想に問題はあるが、少なくとも、ティターンズの方が事態を正確に、把握できる。
「サイド3を奪還するしかない、その上でコンペイ島をエゥーゴの拠点の一つとする。」
「そうだな。しかし、住民の生活には干渉しないのが、絶対条件だ。暴動を起こさせるわけにはいかん。」
 ブライトの作戦案に、クワトロが賛成する。
 早速、ブライトは上層部への、上申書の作成を開始した。

「ハマーン様。あと2日で、アクシズはサイド3に到着します。」
「よし。ソロモンの内部はどうか?」
 サイド3に向かう、アクシズの執務室で、ハマーンは今後の戦力の再編成についての様々な執務を片づけていた。
「はい。そのまま、使えます。MSの開発工廠だけでなく、完成はしておりませんが造船ドックまであります。」
 グリプス戦争の最中、ティターンズは戦力増強の為に、MSだけでなく艦船の建造も可能にすべく、ドックを急ピッチで建造していた。
 あと、間もなく完成というところで、グリプス戦争が終了し、工事は中断していた。
 連邦も工事が中断された造船ドックには、興味も重要性も見いださなかった。
「それは朗報だな。設計が終了していたペルセポリス級巡洋艦の建造も始められよう。そちらの建造は再開できるか?ハンス。」
 ハンス・アドラーは、ハマーンの幕僚の1人で、ソロモンの調査に向かわせていた。
「サイド3の技術者が志願して、明日には完成します。ペルセポリス級のデータは私も所持していますので、明日から建造に入れますが、如何なさいますか?」
「早速頼む。今は、1隻でも多くの艦が欲しいからな。」
 堅実に責務をこなすハンスの報告に、ハマーンは満足しながら、命令する。
 アクシズの造船ドックで可能な艦の数は、4隻。
 ペルセポリス、マシュハド、アッカド、イスファハーンと名付けられる、既に、竣工間近の4隻は、1年戦争時に建造されたジオン軍の艦艇を見直し、ムサイをベースに、様々な新機軸を盛り込んで設計された、新型艦である。
 大きな特徴は、艦の性能が高いにも拘わらず、建造期間が短い事である。部品の数をできるだけ少なくし、作業工数を少なくした結果、大量建造が可能な戦時急造艦的な意味合いも持っている。

『これで、新造艦の建造はさらに可能になる。たしか、サイド3には嘗ての我が軍の艦艇が、改修されて配備されていたはずだな。建造中はそれで凌げよう。後は、MSか…。量産する機種を、絞り込まねばならんな。』
 ハマーンが今後の事を考えていると、執務室のドアを叩く音が聞こえる。
「入れ。」
「失礼いたします。サイド3のハンス様から、データが送られてきました。」
 兵士がデータディスクを、恭しく差し出す。
「何のデータか?」
「はい。サイド3に配備されている、改修された、嘗ての我が軍の艦艇についてのデータとの事であります。」
「そうか。相変わらず気がきく男だ。ご苦労だったな。」
「はっ、失礼いたしました。」
 兵士が去った後、ハマーンは、データディスクを端末にセットして、データをロードする。
『ほう。ムサイは、さして変わらぬが、チベ級の性能が、随分、向上しているではないか。』
 データに目を通したハマーンは、チベ級の改修結果に、驚いていた。
 艦としての戦闘力、MSの運用能力。
 双方が、大きく向上している。
 これは、ハマーンを充分に満足させた。

「これが、上層部の回答か…。」
 上申書を送って、3日後に返ってきたエゥーゴ参謀本部からの返事に、ブライトは憤慨していた。
『貴艦隊は、別命あるまでサイド4で待機せよ。』
 これが、内容であった。
 どれだけ人のいい人間でも、憤慨するだろう。
 ブライトとしては、グラナダに帰還しろという命令が来るのを待っていたのである。
 グラナダならば、サイド3にアクシズが来たとしても、周辺の連邦部隊との交渉次第で、睨みをきかせられる。
 こちらにはニュータイプ専用機が4機あり、他のMSも全て新型だ。
 艦艇の数こそ少ないが、戦力としては充分過ぎるほどなのに、それを有効利用しようとしない上層部に、ブライトは呆れ果てる。

「艦長、カラバから通信です。」
「繋いでくれ。」
 投げやり気味に、通信を繋がせる。
「久しぶりだな。ブライト。」
「アムロか。本当に久しぶりだな。元気そうじゃないか。」
 アムロ・レイ。
 嘗て、一年戦争で連邦初のMS、RX−78 ガンダムを駆り、ホワイトベースの一員として、ブライトと共に戦った伝説のパイロットである。

「成程な…。事態はそこまで悪化しているのに、上層部はその認識はなしか。前線で戦っている方としては、確かに嫌気もさすな。こっちが、まだ、ましに思えてくる。」
 アムロが、肩をすくめる。
「何かあったのか?」
 気になったブライトが訊ねる。
「ジオンの残党があちこちから集結して、ダカールを狙っている。お陰で連日戦闘だよ。MSは旧式だからいいが、嘗てのティターンズが合流している。」
「ティターンズが!?」
 アムロの話の最後は、ブライトに取っては信じがたい話であった。
 ティターンズは、元々、地球至上主義者のジャミトフが設立した、ジオンの残党掃討を目的とした、部隊だからだ。
 そのティターンズが、旧ジオンの残党に合流するのは、信じられなかった。
「信じられないのも、無理はないだろうな。だが、ここの所の連邦のティターンズに所属していた者に対する扱いは、聞いているだろう?」
「…そういう事か。」
 ブライトは、瞬時に理解した。
 グリプス戦争が、エゥーゴの勝利に終わった後、連邦の上層部はティターンズ痕跡を残らず消し去るかのように、所属していた者を、一人残らず軍法会議に掛け、大部分は軍刑務所に送るなど、その様は魔女狩りのようであった。
 それに憤慨した者は、姿をくらました。
 中には、部隊が丸ごと、離脱した例がいくつもある。

「おかげで、こちらは大変さ。向こうは、こっちと同クラスの機体を持っているし、物資もあるから、それで、ジオンの旧式機を改造して、ダカールを占領しようとしている。カラバにしても、全部隊をダカールには割けない。俺達と、ダカール防衛の任にあたっていた、ティターンズの穏健派がカラバに加わってくれて、後は連邦の周辺の部隊がいくつか。正直、戦況は苦しいよ。サイド5とサイド3がアクシズに奪われたことで、ジオンの残党は勢いづくし、ティターンズの残党は、募る恨みをぶつけてくるし、皆、ヘトヘトさ。昨日も襲撃があって、それを跳ね返したけど、あと2日もすれば、また来るだろうしね。」
「お互い大変だな。でも、何とかしないとな。俺も何とか打開策を考えてみる。ダカールを何とか、守りきってくれ。そこを奪われると、後が相当に面倒な事になるからな。」
「どこになるかは解らないが、再会を楽しみにしながらな。」
 通信が切れてから、ブライトは今後の事について考え始めた。
 最悪のシナリオは、占領されたダカールに、アクシズが降りる事だ。
 我が身かわいさに、政府の高官はハマーン達に、見えない尻尾を振るだろう。
 それからは、ジオンが地球圏を支配するか、ダカールを返還する代わりに、サイドの幾つかの譲渡を要求するか。
 いずれにしても、いい結果にはならないだろう。
 その為には、何としても、アクシズをサイド3に釘付けにしつつ。
 サイド5を、取り戻す必要がある。
 エゥーゴが当てにならないのなら、連邦軍しかないが、動いてくれる部隊があるだろうか?

「艦長!ブライト艦長!!」
「今度は何だ?」
 キースロンが慌てた様子で、ブライトを呼ぶ。
「今、地球と月、それとまだ陥落していない各サイドに、通信が流されています。ご覧ください。」
「よし、メインスクリーンに。」
「はい。」

「地球に寄生し、さらには宇宙から富を吸い上げる、地球連邦の害虫どもに告げる。我らは、故郷の地である。サイド3だけでなく、サイド5をも手にした。
屈辱に満ちた、一年戦争の敗北。それ以来、苦難に耐え続けた我らだが、もはや、それは終りを告げた。我らアクシズは、たった今より、ネオジオンを名乗り、無能極まる地球連邦を打倒し、スペースノイドに真の自由をもたらす為の、戦いを始める。各地に身を隠し、臥薪嘗胆を強いられた、嘗てのジオンの兵士たちよ。今こそ、立ちあがる時が来たのだ。疲弊したエゥーゴ、無能者の寄り合い所帯の連邦軍など、我が敵ではない。首都ダカールを守るカラバの努力も無駄であると、証明されよう。だが、その奮戦ぶりは、敵ながら天晴れである。我らの元に下るのであれば、厚く遇する事を、約束しよう。連邦政府の俗物どもよ。自らの無能と怠惰を呪うがいい。今の事態は、お前たちが招いたものだという事を此処に銘記する。」
 通信が途切れた。

「最悪の事態だな。残りの各サイドの連邦軍も、これでは身動き一つ取れない。」
 クワトロが、ラウンジでコーヒーの中身を見ながら、苦い口調になる。
「地球も同じだな。各基地は、ジオンの残党の襲撃に対処しなけりゃならねえ。」
 ヤザンが、苦虫を噛み潰したような口調に、なる。
「これだと、ダカールも気になるわね。あそこを狙う、ジオンの残党は、さらに増えるわ。」
 フォウがダカールの事を、気にする。
「大丈夫だよ。あそこにはアムロ大尉がいる。そう簡単にやられはしないよ。」
 カミーユがフォウの肩に手を置いて、抱き寄せる。
「そうですね。アムロ大尉なら、きっと大丈夫ですよね。」
 エレオノーラが自分に、言い聞かせるように言う。

『どうする。どうすればいい。』
 動かせる部隊が無い状況で、事態の打開策が無いか。
 ブライトは、必死に考えをめぐらしていた。
『コロニーは無理。月に駐留している連邦軍も今の状況では、下手に動けない。ないか。他にカードは無いか…。』
 頭の中に、地球、月、各ラグランジュポイントとコロニーの位置を思い浮かべて、ブライトは動かせる部隊は無いかを、探す。
『ん?月?』
 何か、妙案が出かかった気がした。
『そうか、月か。』
 まだ、あてがあったのを、ブライトは思い出した。

「トーレス、大至急、暗号化して、グラナダのアナハイムに回線を開いてくれ。ウォン・リー氏を呼びだすんだ。」
「は、はい。」
 トーレスは通信回線の、暗号化を始める。
『頼むから、何とか応じて下さいよ。ウォンさん。』

後書き
遂に、ネオジオン復活です。
地球には、いつか一矢報いてくれると思っている、ジオンの残党が多いのはガンダムファンならご存知でしょう。
その精神の支えであるジオン自体が、新しく生まれ変わりましたから、厄介な事、この上ありません。
グリプス戦役で、連邦は疲弊していますから、自給自足のコロニーに、ソロモンを奪われ、戦力を整える基盤を得たネオジオンが、MSの大量生産に入るのは必定。
しかし、連邦の量産機はジムの改修機であるジムV。
危機意識ゼロの政治家の為に、現場が苦労するという救いのない状態は、日本の自衛隊の様だなと、書いていて思いました。


EXモデル 1/1700 ムサイ (機動戦士ガンダム)
バンダイ
2004-12-25

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by EXモデル 1/1700 ムサイ (機動戦士ガンダム) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



EXモデル 1/1700 サラミス&マゼラン (機動戦士ガンダム)
バンダイ
2005-08-10

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by EXモデル 1/1700 サラミス&マゼラン (機動戦士ガンダム) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



1/2400 グワジン (機動戦士ガンダム)
バンダイ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 1/2400 グワジン (機動戦士ガンダム) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



ブログ村のランキングに参加しております。
来てくださった方は、よろしければクリックをお願いいたします。
励みになりますので。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

相互リンクはいつでも大歓迎です。
リンクをしてくださる方は、コメント欄にお書き下さい。
リンクの設定をした後に、お知らせします。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ブログランキング・にほんブログ村へ
機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第12話 ネオジオン cogito,ergo sum/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる