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<<   作成日時 : 2011/12/22 20:33   >>

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多くの犠牲を払って、遂に二○三高地は落ちました。
これで旅順は抑えました。
しかし、まだ山はあります。
ロシア軍主力と日本軍主力との、総力戦。
勝利の女神は、どちらに微笑むのでしょうか?

旅順を抑えた後、連合艦隊は日本に戻り、艦船の補修を行います。
つかの間の休み。
真之は中佐に昇進。
話の話題は、バルチック艦隊の情勢。
こればかりは、真之も解りません。
妻の季子から、勝てますか?と、聞かれます。
家族もそれを案じていましたが、その不安を鎮める為に、真之は勝つと断言します。

一方、満州では戦線が膠着していました。
両軍は寒さに耐えながら、塹壕に屋根をつけて寒さを凌ぎます。
日本軍は乃木の第三軍の到着を待ちます。
ロシアは、その前に、最も薄い左翼に攻撃を仕掛け、さらに正面に攻撃を仕掛けて包囲するのが基本戦略です。
日本の左翼の最も端の部分を守るのが、好古率いる秋山支隊です。
戦力差があるのは解っています。
だからこそ、やれる事をやる。
敵の情報を調べられる限り調べ尽くし、騎兵の一部でロシア軍後方の鉄橋を爆破し、補給線にダメージを与える作戦を命じます。
しかしながら、秋山支隊の情報は黙殺され、援軍もろくに無し。
40kmという長い戦線を、僅か8千の兵で守らなければならない状況になりますが、麾下の騎兵を下馬させて機関銃を並べ、不意の攻撃に備えて、前哨基地である黒林台にコサック騎兵が威力偵察を仕掛けてきた事から始まった黒溝台会戦において攻撃を凌ぎきる事に成功しますが、情報軽視の結果がこれだと、総司令部から来た松川を弾劾します。
その間、待ちに待った乃木の第三軍が到着。
日本軍の全ての戦力が、遂に結集されます。

一方、バルチック艦隊はマダガスカルの港から、錨を挙げていませんでした。
より正確に言えば、上げられませんでした。
石炭の補給もままならず、本国からの訓令は、曖昧。
これでは、上げようがありません。

満州の奉天では、日本軍とロシア軍が今までにない規模の、戦いを行っていました。
ロシア軍32万に対して、日本軍は25万。
ランチェスターの法則でいくと、日本軍が全滅しても、ロシア軍は20万残るという、戦力差です。(互いの戦力を二乗して、引いた結果を、ルート計算すると出ます。)

ここで、日本の戦力は尽きるだろう。
大山も児玉も、その事をよく理解していました。
危険を承知で、クロパトキンの思考をかく乱させる奇策にでます。
少数の日本軍が、攻めままくってロシア軍を包囲しようとします。
さらに、好古の騎兵隊に、後方の鉄道を破壊するように命じます。

これが、功を奏します。
クロパトキンは、日本には豊富な予備兵力があると錯覚し、ここは一旦態勢を立て直すべきだと判断。
奉天から撤退します。
常識的に考えれば、負ける戦いではありませんでしたが、クロパトキンは作戦で敗れる結果となりました。

バルチック艦隊はシンガポールに到着しますが、そこで聞いたのは奉天会戦で、ロシア軍が敗退したというニュースでした。
久々の故郷のニュースの内容に、憤慨します。

一方、真之は、迷いに迷っていました。
バルチック艦隊が、ウラジオストックに行くルートは二つ。
対馬海峡を経由するか、太平洋から津軽海峡を経由するか、参謀達の意見も四分五裂。
やむを得ず、参謀長の加藤友三郎と相談し、場合によっては津軽海峡を通る事を想定した封密命令の許可を、東郷から得ます。

そうしている内に、転機が訪れます。
哨戒船信濃丸が、バルチック艦隊を補足。
真之が睨んだ通り、対馬ルートを通っている事が確認されます。
「天気晴朗ナレド、波タカシ」
有名な、あの言葉を電文に書き足して、東郷の元に向かわせます。

互いに双眼鏡で見える距離にまで近づいた、連合艦隊とバルチック艦隊。
じりじりと距離が詰まる中で、東郷は取舵を命じます。

海戦の原則を無視した東郷の指示に、バルチック艦隊司令長官ロジェストウェンスキーも面喰らいますが、全艦の回頭が終わるまでの所要時間10分を最大限に生かして、連合艦隊を撃破する事を決断。
旗艦の三笠に、攻撃を集中させます。
しかし、日本が爪に火を灯すように金を溜めてイギリスから購入した、敷島級の最終艦の三笠は、敷島級に使用されている、従来の装甲板の半分の厚さでも同等の防御力であるハーヴェイ鋼板をさらに強固にした、クルップ鋼板を装甲に採用しています。
マストに掲げられたZ旗に応えるように、上から下まで、連合艦隊は攻撃態勢が整う時を待ちます。


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