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zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第8話 決戦の前

<<   作成日時 : 2011/11/04 23:54   >>

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「まず、サイド4にどれほどの戦力が、配備されているかだな。」
 アーガマのブリーフィングルームで、ブライト達はサイド4に到着してからの作戦に関しての会議を開いていた。
「ヤザン中尉。君の記憶では、どの程度の戦力が駐屯している。」
「あそこは、戦略的価値がそれ程あるわけじゃないしな。一応、ティターンズが、アレキサンドリア級1隻と改サラミス級を2隻ってとこかな。MSはハイザックのままだったはずだぜ。新型が配備されたなんて、聞いた事ねえな。連邦は、それなりに部隊を駐屯させていたはずだぜ。自分達の方が、戦力があるって事を見せつけられる、少ない場所の一つだからな。」
 ヤザンが自分の頭に中にある、サイド4についての知識を引っ張り出す。
「連邦側の戦力は?」
「改マゼラン級1隻に改サラミス級が6隻位だったんじゃないか?工業用コロニーのインダストリアル7があるしな。それに、新規コロニーの事もある。ま、それなりの軍用施設があるからな。ある程度の部隊を置いて、ほったらかしってとこか。」
「ルウム戦役で壊滅状態になって、コロニー再生計画に基づいての新規コロニー建設の真っ最中だからな。そのような場所にもティターンズは、それなりに、影響力を持とうとした。だが、連邦は、それを上回ったと言ったところか。」
 クワトロが、納得したように頷く。
 一年戦争で、多大な損害を受け、中には壊滅状態になった各サイドの復興の為に、コロニー再生計画が連邦議会で可決され各サイドでコロニーの修復が始まり、新規建造されたコロニーが運ばれてくる。
 その最中に、ジオン残党の掃討部隊であるティターンズと、それに反対するエゥーゴの戦いであるグリプス戦争が起きた、関係者に取っては、さぞ、傍迷惑だったろう。

「とりあえず、戦力としては、戦艦1、巡洋艦9か。」
「そうとも言えませんよ。ティターンズ艦隊が戦力になるかどうかは、未知数だと思うんです。」
 ビリーにカミーユがそう言う。
「確かにな。俺が言うのもなんだが、ティターンズが主導権を取りたがると、連携できるかどうかは、疑問だな。」
 ティターンズは、連邦軍より1階級上。
 正式に決まっているわけではないのに、勝手にルールを作ってそれを通す姿勢に、連邦軍は激しい反感を持っていた。
 話していると、トーレスからブライトに、通信が入ってきた。

「諸君に、伝えておく事がある。先程、入った情報によると、連邦軍は各所でティターンズの部隊を拘束し始めたらしい。すでに、軍法会議に掛けられている者もいるとの事だ。」
 その言葉に、アマデウスが酷く驚いた顔をする。
「罪状は何ですか?」
 アレンが訊ねる。
「知らん者もいるだろうが、ティターンズは反抗するコロニーに対してG3を使用したり、コロニーレーザーの試射でコロニー1つを住民ごと破壊したりしている。これが証拠の映像だ。」
 ブライトがブリーフィングルームのモニターに、映像を出す。
 カミーユ達は、既に見た映像だが、ヤザン達にとってはあまりに衝撃的な映像だった。
「これを罪状にか。いや、あくまで口実だな。奪われた主導権を連邦が取り戻す為の口実だ。」
「大尉の言うとおりでしょうね。これは軍法会議を開くに充分過ぎる程ですから…。」
 表情は良くないが、それをこらえてエレオノールは言う。
「そうね…。」
 エカテリーナの表情もよくない。

「艦長。少し、休憩を戴いていいですか?少し、落ちつきたいので。」
 ヘルマンが、ブライトにそう頼む。
「そうだな。衝撃的すぎたな。ブリーフィングは30分後に再開する。」

「刺激が強すぎたな。やはり。」
 ラウンジで、コーヒーを飲みながら、ブライトは呟いた。
「あれを見た事があるのは、僕達、エゥーゴのメンバーだけですからね。」
 カフェオレを飲みながら、初めてサイド1の30バンチに言った時の事を、思い出す。
「この際、ティターンズを戦力として考えない方が、いいかもしれん。その上で、短期決戦に持ち込み、敵を撃破する。」
 少し考えたブライトは、クワトロの考えをすぐに理解する。
「敵の指揮官と旗艦を撃破する。か…。」
 再び、ブライトは考え込む。
「ブライト艦長。敵の指揮官は、僕に任せてもらえませんか?敵の旗艦は、百式のメガバズーカランチャーで撃破できると思います。」
「成程。そうだな。メガバズーカランチャーなら、敵の陣形を崩す事も出来るだろう。そこに、MS隊を投入。カミーユは敵の指揮官が駆るMSを倒し、クワトロ大尉は敵の旗艦を落とすか…。」
 コーヒーの入った紙コップの縁を人差し指で叩きながら、ブライトはしばらく考えて、結論を出した。
「よし。それで、行こう。念のため、Zはメガ・バスター・ランチャーを持って行ってくれ。場合によっては、Zが敵の旗艦を撃破しやすくなる可能性もある。」
「解りました。」

 休憩後の作戦会議が始まった。
「ティターンズの部隊は、戦力に数えると危ないかもな。面従腹背で、碌に命令を聞かない可能性もあるしな。」
 ヤザンが始めに、意見を言う。
「そうですね。最悪、傍観者に徹して、双方が疲弊した時に漁夫の利を得て、それを持って連邦軍に復帰しようとする可能性も、考えられます。」
 エレオノーラが意外な事を言ったので、皆が注目する。
「傍観者はともかく、正規軍に戻るのは考えづらいぜ。あのエリート意識の塊どもが、連邦に戻るかね?」
 ジェームズが首を傾げる。
「背に腹は代えられないもの。まさか、海賊まがいの事をするわけにもいかないし。」
「一理あるな。今、思い出したが、ティターンズにも穏健派はいたからな。」
 カラバのベルトーチカ・イルマから聞いたが、明らかにティターンズにも穏健派はいる。
「それを考えると、協力関係はあるかもしれんな。」
 ブライトが顎に手をやる。
「いずれにせよ。サイド4に到着してからが問題だ。優勢か、劣勢か。それぞれで戦術は大きく変わる。まずは考えたくはないが、不利な場合だ。百式のメガバズーカランチャーで、道を開き、Zはその道を通って、敵の指揮官が搭乗するMSを撃破する。加えてクワトロ大尉には、敵の旗艦を撃破してもらう。他のMSは、アーガマと共に連邦軍の援護に回る。」
 ブライトが、クワトロ達と考えた作戦案を説明する。
「戦況が互角な場合でも、有効な手ですね。」
 アランが、作戦に同意する。
「連邦軍が有利。もしくは、互角の場合は、アクシズ艦隊の側面を突き、半包囲して殲滅する。」
「おもしれえ。腹を食い破ってやるよ。」
 ヤザンが、闘争心をむき出しにする。
「こっちも、やりがいがあっていいな。」
 ビリーが、指を鳴らす。
「サイド4に到着するまで、後30時間だ。MSの調整を整備員と打ち合わせをしてぬかりなくしていてくれ。特に、大尉、カミーユ、フォウ、エレオノーラはサイコミュの調整とメガバズーカランチャーの連射用パワーパックの調整がある。頼むぞ。」

「メタスのジェネレーターを利用して、常にエネルギー充填率を100%にするようにしてあります。と言っても、撃てるのは3発。終ったら、デッド・ウェイトになりますから、すぐにパージしてください。」
 アストナージが、メガバズーカランチャー用の連射用パワーパックについて、説明する。
「3発も討てれば、充分さ。ありがとう、大変だったろう?」
「アーガマのメカニックは、これくらいはこなせなきゃいけませんよ。」
 軽く笑って、アストナージが言う。
「大尉。サイコミュの調整を行いますので、こちらに来てください。」
 サイコミュ専門技術者のシャマーネ・リートゥスが、クワトロを呼ぶ。
「解った。すぐに行く。アストナージ、調整、任せたぞ。」
「了解。」

 コックピットに入ったクワトロは、調整用のヘッドギアを頭にはめて、そこから伸びるコードの端子を、コンソールに接続する。
『このサイコミュを使えば、ララァ、君に逢えるだろうか…。』
 ララァ・スン。
 一年戦争時、初の遠隔サイコミュ兵器「ビット」を搭載したMAN−08 エルメスのパイロットを務めた少女で、様々な意味で特別な少女だったが、一年戦争でその命を宇宙に散らした。
「どうかしましたか?クワトロ大尉。気分がすぐれないのなら、後でも。」
 専用の端末でモニタリングしていたシャマーネが、微妙な乱れを見て、心配そうに通信を入れる。
「すまん。少し、考え事をしていただけだ。頼む。」
『今の私は、クワトロ・バジーナだ。シャア・アズナブルではない。』
 己を戒めながら、シャマーネに応える。
 その頃には、クワトロの脳波の乱れは無くなっていた。
「じゃあ、始めますね。」
 端末に表示された、4人の脳波をサイコミュシステム変換の経過を見ながら、シャマーネがシステムパラメータを調整して、各人に最適な状態に仕上げる。
 これには、サイコミュ関係の高度な知識が必要なので、シャマーネ以下アシスタントの2人しか出来ない重要な作業である。
「そっちは、メガ・バスター・ランチャーの調整を頼む。こっちはメガバズーカランチャーの調整で手が離せない。」
 アストナージ達整備班も、各MSの整備を念入りにしていた。

「ほう。これが、新型か。」
 マシュマーはプロヴィデンスのMSハンガーで、組み上がったばかりの新型MSを見ていた。
「どれを発展させるかは、我々、技術陣も、悩みましたが、この2機が良いと考えて、開発を続けました。イリア様は既に慣熟訓練を終えられておられますが、他は…。」
 新型となると、従来の機体とは全く別物になっている場合が多い。
 乗り換えて使いこなすとなると、それなりの時間が必要になる。
「解っている。それも計算に入れて、サイド4に向かっているからな。君達は整備を万全にすることだけを考えていてくれ。」
 そう言って、マシュマーは整備班の班長の肩を叩いて、目の前の新型MSを見る。
『プロヴィデンスに加えて、5隻。これなら、充分に、私の戦術で行ける。サイド4。必ずや我がアクシズの物にして見せる。』
 マシュマーは拳を握りしめ、固く心に誓う。
「マシュマー様、作戦会議の時間です。御仕度を。」
「そうだったな。すぐに行く。先に行って準備を頼む。」
 身なりを整える為に、マシュマーは自室に戻る。

「クアドラ、コンドラ、前線に戻ります。ですが、MSは…。」
「だったら、砲台代わりに使えばいい!敵の旗艦か、隊長機を沈めるんだよ!!」
「は、はっ!」
 苛立ったキャラの声に、怯えて、部下が敬礼する。
 既にMS部隊の2割近くが失われ、残ったMS部隊も1割が現在修理中。
 艦艇に至っては、10隻の内、2隻が撃沈。
 前線で戦闘可能な艦は、6隻である。

「敵艦2隻。戦線に復帰した模様。」
「MS隊を、出撃させたか?」
「いえ、それはないようです。」
 旗艦である、アレキサンドリア級重巡洋艦エカテリンブルグは、サイド4に駐留するティターンズ部隊の旗艦だったが、穏健派のロックウェル少佐が指揮官を務め、グリプス戦争の後期には部隊ごとティターンズを脱走し、連邦軍所属となっている。
 もっとも、この事実はまだほとんどの部隊が知らない。
「こちらの損失は?」
 カニンガムが、オペレーターに訊ねる。
「撃沈された艦艇はありませんが、セーラムとメディナが、現在後方で補修を受けております。MS隊は6機が撃墜、2機が中破、6機が小破。以上になります。」
 サイド4駐留部隊は10隻の艦艇と、54機のMSで編成され、キャラ率いる攻略部隊は10隻の艦艇と63機のMSで編成されている。
 戦力で言えば、キャラの部隊の方が、やや上と言える。
 しかし、損害はキャラの部隊の方が上回っていた。
 サイド4駐留部隊のMS隊は、組織的に戦う戦法を徹底的に叩きこまれているが、アクシズのMS部隊は各機がばらばらに戦っている。
 兵の練度の差もあるが、指揮官の差があった。

「少佐。整備及び補給完了しました。」
「解った。他の損傷したMSの修理も、急いでくれ。」
「はっ!」
 20代前半の若い東洋系のパイロットが、自分のMSに向かう。」
「よっ。これからか、隊長殿?」
 同年代の、眼鏡をかけたパイロットが、話しかけてくる。
「そっちもか。」
「ああ。」
「援護頼む。」
「任せとけって。」
 それぞれ、MSのコックピットに入って、起動準備を行う。

「カタパルトクリア。いつでもどうぞ。」
「了解。ガンダムFb(フル・バーニアン)Mk.U。行きます。」
 ガンダムタイプのMSが、発進する。
 コウ・ウラキ。
 嘗ては、ジオン残党、デラーズ・フリートとの熾烈な戦いをくぐり抜けてきたパイロットで、乗機の性能を理論的に理解して、それをフルに引き出すという才能の持ち主である。テストパイロットとして各地を転々とし、様々な機体を乗りこなしてきたが、今まで模擬戦闘で破れた事はない。その中の相手には、ティターンズのパイロットもいた。
 実戦は久方ぶりだが、キャラ率いる攻略部隊との戦いの中で、やや鈍っていた実戦感覚を取り戻し、現在は戦時特例で大尉から一気に中佐に昇進。サイド4の駐留部隊のMS隊の隊長として、見事にMS隊を指揮して、被害を最小限に抑えている。

「チャック・キース。ジム・アルシェ。行きます。」
 チャック・キース。
 ウラキとは士官学校の同期で、同じ部隊を転々としてきた。
 彼もまた、激戦をくぐり抜けてきた、パイロットである。
 この二人を中心に、サイド4の部隊は数の不利を物ともせずに、戦っていた。

 そして、その戦場にサイド4駐留部隊、キャラの部隊。
 それぞれの援軍が、到着しようとしていた。

後書き
サイド4といえば、ハマーンがダヴリンへのコロニー落としの為に、キャラに制圧させたサイドです。
今回は、ウラキとキースを再登場。フル・バーニアンと、新型を駆り奮戦しています。
そこへ、マシュマーとブライト達が援軍に向かっていますが、戦いの行方は?

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