cogito,ergo sum

アクセスカウンタ

zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第2話 再会

<<   作成日時 : 2011/09/23 17:30   >>

ナイス ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 0

「まもなく、エゥーゴ艦隊と接触します。」
「接触と同時に、艦の修理を開始します。リストの中から特に損傷の酷い艦を優先的に。それと、アーガマもね。カレイジャスにも、修理の準備とアーガマへの補給を準備させておいて。」
 キャリアウーマンを思わせる女性。工作艦グローリー艦長のアデリーヌ・オベール大尉が、てきぱきと指示を出し、準備を進める。
「了解しました。あれ…?」
「どうしたの?イレール。」
 メインオペレータのイレール・バラティエに訊く。
「いえ、ちょっと…。これ、MSの脱出カプセルです。数は3。」
「放っておくわけにも、いかないわね。回収次第、ブライト中佐に処遇を決めてもらいましょう。」

「グローリーから誘導指示。中央部に着艦されたし。」
「妙だな。アーガマより損傷の激しい船は、いくらでもある。どういう事だ?」
 グローリーは、アーガマと接触する為に来たわけではない。
 艦の修理に来た以上、損傷の激しい艦から修理に入るのが、普通だ。
 にも、拘らず、応急修理が終了したアーガマが、最初に修理に入るのは、明らかにおかしい。
「艦長、追加指示です。入渠前にカレイジャスと接触、補給と補充人員を受けられたし。以上です。」
「補給はありがたいな。医薬品が底を尽きかけているそうだ。欲を言えば、MSと、パイロットが補充人員で来ると嬉しいがね。」
 ブリッジに上がってきたクワトロが、ブライトに話しかける。
「そこまで欲は張れんが、そうだと、嬉しいよ。」
 アクシズが動き出した以上、使えるMSが3機では心許ない。
 特に、リックディアスでは、クワトロが全力を発揮するには無理がある。
 高性能のMSを、欲していた。
「カレイジャスと、接触します。」
 トーレスが言うのと同時に、カレイジャスは伸ばしたアームの電磁石でアーガマの左舷に接触した。

「マハト隊、発進。周囲の警戒に当たれ。」
 長い金髪を編み込んだ、穏やかな印象の女性が指示を出す。
 ビアンカ・アドリオン。
 MS工作艦カレイジャス艦長である。
「何とか、マハトの調整が済みましたね。」
 副長のテレサ・ブリンクマンがほっとした表情で、MSの発進を見ている。
 MSA−009 マハト。
 ネモの後継機として開発された、新型MSである。
「各艦に通信を。後の警戒は、私達で受け持ちます。パイロットやメカニックの方達は、安心してお休みになられるように。と。」
「はい。」

「新型の護衛か。頼もしいな。」
「ですね。」
 クワトロとカミーユはコーヒーを飲みながら、警戒に当たるマハトを見ていた。
 その時、アストナージからの通信が入る。
「くつろいでる所、悪いんですけど、クワトロ大尉とカミーユはMSデッキに来てほしいそうです。」
「解った。すぐに行く。」
 通信機のスイッチを切って、席を立つ。
「新型、来てるといいですね。」
「そう願いたいものだな。」
 そう言って、二人はMSデッキに向かった。

「アストナージ、なにかいい物でも来たのか?」
「ええ。おい、シートどけろ。」
 MSデッキにある6つのメンテナンスベッドの内、5つにシートがかけられている。
 その一つがどけられると、眩い金色の装甲のMSが姿を現した。
「形式番号:MSN−100C 百式改。百式の設計を見直して、各部を改良して開発された機体です。申し遅れました。アナハイム・エレクトロニクス フォン・ブラウン工場で、MS開発部門に所属しております、アビー・オドネルです。」
 自己紹介をした、柔らかい雰囲気の女性は、クワトロに手を差し出す。
「エゥーゴのクワトロ・バジーナ大尉だ。新型を持ってきてくれるとは、ありがたい。早速で済まないが、データを見たい。アストナージ、ミスオドネルに手伝っていただき、今までの戦闘データを移植してくれ。」
 大破した百式を乗り捨ててきた時、クワトロは、戦闘データは持ちかえってきていた。
「解りました。」
 その間に、クワトロはデータに目を通す。
 横から、カミーユも見る。
「ほう。これは、すごいな。出力比に推力比、センサーの有効半径。全て、随分、向上している。それに、これは制御系に、バイオセンサーではなく、サイコミュを使用しているな。それに、コックピットブロックは周囲の脳波を感じる、一種のセンサーか。」
 予想を上回るティターンズのMSの性能。
 特に、シロッコが手掛けたMSの性能は、予想を大きく上回っていた為に、開発陣は大幅に性能を向上させていた。
 さらに、クワトロがニュータイプである事から、独自に設計したサイコミュを機体制御に使用していた。
「凄い、火力ですね。成程、高出力ジェネレータ搭載の理由はこれか。」
 大火力のロングビームライフルの他、ビームライフルと一体になったクレイバズーカ、左右の腕に搭載されたメガ粒子砲。もちろん、メガ・バズーカ・ランチャーも使用可能である。
「おまけに、事実上、これはニュータイプ専用機。期待できるな。」
 アストナージが、百式改を頼もしげに見ていた。

「大尉。移植完了です。確認お願いします。」
「解った。ところで、他のシートの下も見て見たいのだが、いいだろうか?」
「もちろんですわ。じゃあ、次は、こっちを。」

「これ、ガンダム?」
 シートの下から現れ、カミーユの目に映ったMSは、まぎれもなくガンダムタイプのMSだった。
 両肩には、ビームキャノンが搭載されている、可動式らしいシールドが装備され、Mk.Uのライフルより、大型のライフルが主装備のようだった。他には、Mk.Uと同型の、ハイパーバズーカが用意されている

「MSN−187 ガンダムMk.V。対弾性の弱さ、コロニー内での戦闘を想定しているために、標準程度でしかない火力といった、Mk.Uの弱点を克服したMSです。その分、重量は増していますが、スラスターの出力を向上させることで、機動性はむしろ上がっています。ジェネレータも高出力型を搭載し、装備を充分に活かせます。」
 アビーが、Mk.Vの説明をしていると、コックピッチハッチが開き、ブルーのパイロットスーツを着込んだ、パイロットが出てきてカミーユの所に来る。

「この人が専属パイロットですか?とすると、補充人員はこの人か。」
 そのパイロットは、黙ってヘルメットを取る。
 カミーユは信じられない者を見たという表情をして、そして嬉しさに満ちた表情でパイロット名を呼ぶ。
「フォウ…。フォウなんだろ…?」
「そうよ…。カミーユ…。会いたかった。本当に会いたかった…。」
「僕もさ…。君は死んで…、もう、会えないと思っていたから…。でも、会えた…。何だか、神様を信じてもいい気になるよ。」
 二人は愛おしげに抱き合って、キスをする。

「恋路を邪魔するほど野暮ではないつもりだが、できれば、場所を考えてくれると嬉しいな。2人とも。」
 クワトロの言葉に我に返った二人は、真っ赤になって離れる。

「フォウ・ムラサメ少尉です。ガンダムMK.Vのパイロットとして、アーガマに配属となりました。よろしくお願いします。」
 背筋を伸ばして敬礼をする。
「クワトロ・バジーナ大尉だ。よろしく頼む。すると、Mk.Vにも、百式と同じサイコミュが?」
「ええ、搭載されています。それと、カミーユに命令書が来ています。」
 怪訝そうな顔をして、命令書を受け取り、中を見ると、中尉の階級章と事例が入っていた。

「今までの功績を考えると、いつまでも階級なしとはいかない。それが、上層部の判断のようです。」
 フォウの話を聞いたカミーユは、渋い顔をする。
「そう渋い顔をするな。筋が通っていないわけではないんだ。アーガマはこれまで通りだ。それでいいだろう?」
 エゥーゴの中でも、アーガマはあまり階級にこだわらないフランクな雰囲気の艦である。
 例え、カミーユが中尉になったとしても、艦の雰囲気がことさら変わるわけではない。
 ブライトは、そう言い聞かせた。
「ブライト中佐でいらっしゃいますね。新しく配属になりました、フォウ・ムラサメ少尉です。」
「ブライト・ノア中佐だ。MS、パイロット共に不足していたので、ありがたい。期待させてもらうぞ。」
「ご期待には答えさせていただきます。こちらは、アナハイム社のアビー・オドネルです。Mk.UとZについて、お話があります。」

「それにしても、よく生きていたね。」
 ラウンジで、カミーユとフォウは、カミーユが宇宙に戻った時の事を話していた。
 フォウが調整したスードリのブースターで、カミーユが宇宙に戻った時、スードリは撃沈。
 フォウも空に放り出されたが、カラバのネモが偶然に彼女を救出。アウドムラに連れ帰った。
 さすがに無傷とはいかず、強化人間に至るまでの薬物投与の影響もあり、しばらく療養生活を送る事になる。キリマンジャロ攻略戦。カラバと協力して、ダカールの連邦議会を占拠してからの、クワトロの演説。それらを、フォウはベッドの上で聞いていた。
 それより前から、カラバはオーガスタ研究所潜入作戦を実行。様々な資料を入手する事に成功していた。
 さらに、ホンコンの事件等で急速に力を失ったムラサメ研究所の制圧作戦も、行われ、逃す条件として、研究者たちにフォウの状態を薬物投与なしに安定させる治療を行わせた。
 そして、グリプス戦争終了間際に治療は終了し、フォウの希望もあって月へ行き、アーガマへの補充パイロットとしてMk.Vを受領した。
「コロニーレーザー争奪戦は激しいって聞いてたけど、カミーユは生きてる。私はそう確信していたわ。」
「そうか…。」
 カミーユは、嬉しそうに言った。

「カミーユ、いちゃついてるところ悪いんだが、MSデッキに来てくれ。Zについて話があるんだとよ。」
「解りました。」
 カミーユは、通信機のスイッチを切った。
「何だか、私達がどこで何をしてるか、皆、解ってるみたい。」
 フォウが、可笑しそうに笑う。
「まさか、盗聴されてないよな?」
 周囲を見渡すカミーユを見て、フォウはまた笑う。

「ZとMK.Uの改装ですか。」
 MSデッキに来たカミーユに、アビーはZとMk.Uの改装を告げた。
「はい。Zは、性能はもとより、元々のポテンシャルも高いMSです。それ故に、後継機を開発するより改装をした方が良いという判断が、技術陣で下され、今回、改装される事になりました。」
「どの部分を改装するんですか?」
 アビーがタブレット型の端末に、Zのデータを呼び出す。
「まず、各スラスターを高出力型に、背部パーツをスラスター装備型に換装して、機動力の向上を図ります。装備も新型になりますから、それに伴い、ジェネレータも高出力型に換装します。それとムーバブルフレームも一部交換です。さらに、百式改やMk.Vと同型のサイコミュを搭載するので、全部で5日の予定です。」
 カミーユは、渡された端末に目を通す。
「交換されるムーバブルフレームは、整備上問題のある部分ですね。これなら、アストナージさんの苦労も少しは減るか。Zは可変型でも、ムーバブルフレームの複雑さでは、間違いなくトップクラス。どうしても構造が弱い部分が出てきますからね。背部パーツは機首の部分も含まれているんですね。それにしても、武装が凄い。これなら、ジェネレータが換装されるのも、頷けます。この、メガ・バスター・ランチャーは凄い威力ですね。内部にも小型のジェネレータも随分改良されていますね。後は、サイコミュか。これは、使ってみないと解らないな。」
 改装や武装に関して、一回目を通して、おおよその事を理解したカミーユを見て、アビーは驚く。
『そう言えば、Zの開発アイデアを出したのは彼だったわね。なら、頷けるか。』

「ところで、Mk.Uの改装って、どういう事ですかね?改装の前に、修理が先ですよ。」
 アストナージが、メンテナンスベッド上のMk.Uを見る。
 ヤザン率いるハンブラビ隊との死闘、その後のレコアとの戦いで、Mk.Uはスクラップの一歩手前の状態だった。
「今回の改修は、修理も兼ねています。元々、構造材や装甲に問題のある機体でしたから、それへの対処も必要です。それが済めばまだまだ充分戦える機体ですよ。折角、補充要員もいるんですし。」
 ロシア系らしい少女が、背筋を伸ばして敬礼をする。
「この度、アーガマに配属する事になりました、エレオノーラ・アレクサンドル・フレンニコフ少尉です。」
「実は彼女も強化人間だったんです。」
「彼女も…。」
 ブライトが複雑な思いで、エレオノーラを見る。
「オーガスタ研究所にいたのですが、補充要員としてティターンズに引き抜かれて、配属先の部隊に向かう途中に、エゥーゴに投降したんです。」
『随分と、変わった性格だな…。』
 ブライトは、強化人間の事には詳しくないが、敵に投降する可能性をゼロにする為に、薬物等で縛る位はやるだろうと考えていたので、驚いていた。
「私は、研究所の薬物がないと生きていけなくなるほど、まだ強化過程が進んでいたのではなかったので。研究所にも噂は流れてきますし、それを聞くとティターンズの一員として戦う気にはなれませんでした。」
 嘘を言っている目では、なかった。
「よくわかった。期待させてもらうぞ。少尉。」
「必ず、期待に応えて見せます。」
 ブライトが差し出した手を、エレオノーラは握った。

後書き
不定期連載の筈が、定期連載になってしまいそうな、Zガンダムの二次創作の、
第2話です。
フォウとカミーユのカップルは、私はとても好きなんです。
理由を尋ねられると難しいんですが、強いて言うなら、互いに心の中にある飢えた部分や弱い部分を支えあえそうな感じがするんですよね。
ファは、恋人というより、完全に幼なじみで恋人にはならない気がします。
そして、搭乗した新型MS。
シロッコとハマーンの激闘で、スクラップ同然になった百式を失ったクワトロには、改良強化された百式。
そして、Mk.Uの後継機である、Mk.V.
RXナンバーにしようかと思ったのですが、アナハイムのナガノ博士が関わっている設定と、完成した時の宇宙歴から、形式番号を決めました。
後は、ZとMk.Uの改修ですね。
それと、冒頭にグローリーに収容された、ポッドの中身は誰でしょう?
次回をお楽しみいただければ、幸いです。



ブログ村のランキングに参加しております。
来てくださった方は、よろしければクリックをお願いいたします。
励みになりますので。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

相互リンクはいつでも大歓迎です。
リンクをしてくださる方は、コメント欄にお書き下さい。
リンクの設定をした後に、お知らせします。

目次へ戻る

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
ナイス ナイス
驚いた
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ブログランキング・にほんブログ村へ
機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第2話 再会 cogito,ergo sum/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる