cogito,ergo sum

アクセスカウンタ

zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第1話 襲撃という名の序曲

<<   作成日時 : 2011/09/18 22:45   >>

面白い ブログ気持玉 7 / トラックバック 0 / コメント 0

「残存艦艇、集結しました。」
 事実上、エゥーゴの旗艦となっているアーガマのブリッジで、トーレスがブライトに報告する。
「損害状況は?」
「損失は、約6割。残りの艦も戦闘に耐えられるのは、半分を割り込んでいます。アーガマは応急修理が完了し、戦闘には耐えられます。しかし、MS部隊は、全てかき集めても、戦闘が可能なものは3割に届くか届かないかです。」
 損害の大きさに、ブライトは頭痛がした。
 ティターンズとの総力戦だったので、仕方がないといえば仕方がないのだが、戦闘可能な艦が全体の僅か2割では、心許ない。

「生き残れただけでも、まだ、恵まれている方さ。」
「クワトロ大尉。無事だったか。」
 ノーマルスーツを着たままの、クワトロ・バジーナことシャア・アズナブルがブリッジに上がって来る。
「危うく、戦死するところだったがな。カミーユのZガンダムの損傷は、思ったより軽かったよ。修理はすでに終わっている。ただ、私の百式は、スクラップ同然だ。幸い、ヴェネツィアからリック・ディアスとネモを譲り受ける事が出来たから、いざとなったら、これで戦える。Mk.Uはここでは修理不能だ。損傷が、ムーバブルフレームまで及んでいる。ラビアン・ローズでもない限りは無理だろうな。メタスの調子も良くない。」
「今、戦えるパイロットは、カミーユに大尉、そしてファか…。ファは実戦でどうにか戦える程度だ。頼りになるのは、大尉達か…。いつでも、出れるようにしておいてくれ。」
「了解だ。」
 MSパイロットの待機所に向かったクワトロを見送ってから、ブライトは疲労感を紛らわすように、大きな溜息をついた。

 カミーユは、MSデッキにいた。
 愛機のZガンダムは修理が済んで、いつでも戦える。
 しかし、Mk.Uは大破寸前で、アーガマの設備では修理不能である。
 百式は、スクラップ同然で、乗り捨てるしかなかった。
 リック・ディアス隊は、全滅。
 かつて、アーガマの主力をなしていたMS隊は、見る影もなくなっていた。

「折角、戦いが終わったって、こんなんじゃ…、こんなんじゃ…!」
 泣くのをこらえて、カミーユは言葉を絞り出す。
 ティターンズには、勝利した。
 アクシズは、後退した。
 しかし、その為に払った犠牲は大き過ぎた。

 そのカミーユを、ファは陰から見ていた。
 そばに行って、慰めたい。
 もし、カミーユが望むなら、体を差し出してもいい。
 そうも、思った。
 そんなファの肩を、クワトロが叩く。
「大尉。」
「今は、そっとしておいた方がいい。少し、落ちつかせてから、話を聞いてやるべきだな。慰めるのはいいが、タイミングを間違えると、感情が荒れ狂う。それでは元も子もない。いつ、敵が来るかもしれん。君も待機しておいてくれ。ネモに搭乗してもらう。」
 そう言って、待機所に行こうとする。
「あの、大尉。」
「何だ?」
「大尉は悲しくないんですか?アポリ中尉や、エマ中尉や、カツやヘンケン艦長が死んで…。」
 少し時間をおいて、クワトロが口を開く。
「悲しいさ。特に、アポリは古くからの部下だ。だが、悲しんでばかりもいられない。大人になるという事は、自分の感情を落ち着かせる術を身につけるという事でもある。そういう事だ。」

 3日経った。
 各艦の応急修理も、だいぶ進み、とりあえず戦闘可能な艦も増えた。
 MSの修理も、進んでいる。

「艦長。通信です。」
「通信?どこからだ。」
 書類のチェックをしていたブライトは、トーレスに訊ねる。
「はい。派遣された工作艦2隻からです。」
「メインスクリーンに、出せるか?」
「はい。」
 メインスクリーンには、2隻の工作艦が、表示される。
「アーガス級ですね。」
「ああ、片方はMSの整備に特化したタイプか。」
 アーガス級はペガサス級をベースに建造された、エゥーゴの補給艦を兼ねた工作艦であり、艦の修理と通常の設備では手に負えないMSの整備・補修を行う2種類がある。
「これで、整備の方は、何とかなりますね。艦長。」
 キースロンが、ブライトに話しかける。

「所属不明の艦影。数2。MS隊の発進を確認。」
 トーレスの声が、ブリッジに緊張を走らせる。
「総員、第一戦闘配置。各艦のMS隊は、発進可能なものから、順次発進。応急修理を済ませただけのMSは、直衛に回れ。」
 ブライトは、受話器を叩きつけるように戻す。
「くそ!よりにもよって、こんな時に!!」
「一隊が、補給艦に向かっています!!」
 トーレスがコンソールを操作して、戦闘空域の状況をメインスクリーンに映す。
「現在、出撃しているMS隊と所属する艦を。」
「はい。」
 ブライトはざっと目を通す。
「ピレネー、カルパティア、アペニンのMS隊は、補給艦の救援に向かえ。機種照合はどうだ?」
 相手のMSの機種照合を行っているトーレスに、ブライトが訊く。
「該当機種ありません。ただ、強いて言えば、ガザCに似ています。発展型では?」
「相手は、アクシズか。大人しくするつもりはなかったと、いう事だな…。」
 ブライトは、口の中に苦い味が広がるのを感じていた。

「相手は、アクシズ?ハマーンの奴。エゥーゴがボロボロになった時を狙うつもりだったんだな!!」
 Zガンダムが、カタパルトに運ばれている間、カミーユはそう言って、怒りを露わにした。
「まだ、相手の目論見は解らん。とにかく、相手を片づけることだけ考えてくれ。」
「了解。Zガンダム。カミーユ、行きます。」
 カタパルトが、Zガンダムを宇宙へ飛びたたせる。
 すぐに、ウェイブライダーに変形して、MS部隊へと向かう。

「さて、相手の技量はどれほどかな。熟練兵は、あの時、葬ったはずだが。」
 今のアクシズは、数は揃っていても、ほとんどが素人の集団である。
 唯一、熟練兵が揃っていた、MS部隊もグリプス戦役後期のコロニーレーザー争奪戦で、百式のメガ・バズーカ・ランチャーで、撃墜されている。
練度は、以前より劣るはずである。
「クワトロ大尉。MS部隊の指揮も頼む。」
 ブライトが、各MS部隊の指揮も、クワトロに任せる。
「了解した。クワトロ・バジーナ。リック・ディアス、出る。」
 クワトロのリック・ディアスが、戦場に向かう。
 乗りなれた機体だけに、不安はなかった。

「ファ。無理はするな。カミーユやクワトロ大尉の、援護に徹してくれればいい。」
「私だって、きちんと戦えます!ファ・ユィリィ。ネモ、行きます。」
 ファのネモが、飛び立つ。
「大丈夫ですかね?ファ。」
「ガザC相手なら、スペックは、ネモの方が上だがな。もし、トーレスの言うとおり発展型なら、まずいかもしれんな。」
 ネモは、量産機としては操縦しやすく優秀な機体だが、開発時期の短縮の為に新規設計とはならず、ジム系の高級機を参考にしている。
 それ故に若干、性能面で不安がある。

 相手はガザCの発展型と見て、間違いない。
 クワトロは戦いながら、そう判断した。
「やはり、練度は低いな。」
 3機一体となって、向かってくるが、機動がぎこちないし、射撃の腕も未熟だった。
 そして、回避もまだまだで、クレイバズーカが面白い様にあたる。
 カミーユも、ウェイブライダー形態で編隊をかき回しては、ビームライフルで狙い撃ちする。
「クワトロ大尉、相手の技量なんですが。」
 リック・ディアスに、Zガンダムからの通信が入る。
「カミーユも気づいたか?」
「はい。全員、素人ですよ。ファが、2機撃墜できるくらいですから。」

「はあぁっ!」
 ファがネモのビームサーベルで、相手の核融合炉を貫く。
 サーベルを抜いて、ネモが離れると、相手のMSは爆発する。
「これで、3機目。」
 ヘルメットのバイザーを開けて、汗を飛ばす。
 無重力のコックピットで、汗は水玉のようになって漂う

「旗色が悪いな。」
 乗艦のエンドラで、指揮官である端正な顔立ちをした男が、眉をしかめる
「少数とはいえ、相手は、激戦を勝ち残ってきた者たちです。」
 副官のゴットン・ゴーがそう言うと、指揮官のマシュマー・セロは溜息をつく。
「後退命令を出せ。撤退する。レンドラにも伝えろ。ズサとハンマ・ハンマの組み立てを急がせろよ。このままでは、必要になる。」
「はっ。」
 後退信号が出されて、相手の部隊は後退していった。

「敵部隊、後退していきます。」
「MS部隊に帰投命令を、工作艦に向かった部隊は、そのまま護衛を続けろ。」

「間違いなく、アクシズの部隊だな。ティターンズとの戦いで疲弊した、我々、エゥーゴの部隊の程度を確かめようとしたのだろう。」
「でしょうね。ハマーンが率いてきた部隊以外に、戦力を蓄えていたってことですよ。」
 クワトロとカミーユが、意見を言う。
「練度は、さほどではないのが救いだがな。一年戦争以来のパイロットもいるだろうが、そう簡単には、出さんだろう。向こうにしても、切り札だからな。」
「工作艦グローリー、カレイジャス、ランデブーまで、後30分。」
「よし、損傷のリストを送信しろ。一刻も早く、修理を済ませるんだ」
 ブライトとしては、アクシズが動き出したことで、残存部隊を万全の状態に戻すことで、頭が一杯だった。

後書き
ふとした時に、「新訳のZの後の続きで、第一次ネオ・ジオン抗争を書いてみたらどうだろう?」と、考えて見まして、少し時間があった時から、少しずつ
書いていました、不定期連載になってしまうでしょうが、よろしければ、読んでください。

ブログ村のランキングに参加しております。
来てくださった方は、よろしければクリックをお願いいたします。
励みになりますので。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

相互リンクはいつでも大歓迎です。
リンクをしてくださる方は、コメント欄にお書き下さい。
リンクの設定をした後に、お知らせします。

目次へ戻る。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 7
面白い 面白い 面白い 面白い 面白い 面白い 面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ブログランキング・にほんブログ村へ
機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第1話 襲撃という名の序曲 cogito,ergo sum/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる