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zoom RSS GUNSLINGER GIRL −FLAMMENTO− 第4話 チーム

<<   作成日時 : 2011/06/15 18:10   >>

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「ターゲット。来ました。」
 双眼鏡で周囲を見張っていたアマデオが、ターゲットを見つける。
「よし、右はお前がやれ。俺は左を片付ける。」
「はい。」
 今回の任務は、ペスカーラに来ているパダーニャの幹部の暗殺である。
 アルフとキャロルが共に狙撃手で、アマデオが周囲の監視をしていた。
「こっちは、準備OKと。」
 アルフの狙撃銃。H&K MSG90のスコープの調整具合を再度確認する。
「私も、いつでもいけます。」
 キャロルも、ナイツ SR−25のスコープを覗き込みながら、合図を待っ
ている。
「今です。」
 アルフが、ホテルに向かっている幹部2人の内の、左の幹部の頭部を狙う。
 あやまたず、頭部を直撃し幹部は即死する。
 少し遅れて、キャロルは右の幹部の頭を撃ちぬく。
「よし、引き上げるぞ。」
 狙撃地点から、3人は素早く撤収する。

「ご苦労だったな。これで向こうも暫くは、動きが収まるだろう。」
 ローマ派が大規模なテロ活動の準備に入ったと言う情報を入手して、公社は
幹部の暗殺を決定していた。
 今回、その任務に当たったフラテッロは、アルフとキャロルだった。
「ミラノに続いて、ローマも叩きましたから、確かに暫くは収まるでしょうが、
他の派閥の動きが気になります。そちらの情報は、どうなっているでしょう
か?」
 組織を潰すには、まず頭。
 それは、アルフも理解していたが、叩いた結果が他の派閥に影響を与えるか
もしれないと、考えていた。
「今の所は、情報は入っていない。お前の懸念は私にも理解できる。情報収集
は人員を増やす。また任務が入るかもしれん。今のうちに休んでおいてくれ。」
「解りました。失礼します。」
 ロレンツォの執務室から、アルフは出て行った。
 アルフが出て行ってから、ロレンツォは今回の件の報告書に、目を通し始め
た。
「大分、データも取れてきたな。そろそろ、二期生の準備に入れるか。」
 ピサでの任務から、さらに1ヶ月が過ぎて、アルフとキャロルは様々な任務
をこなしていた。
 そして、二期生の為のデータも蓄積されていった。
「失礼します。」
 ベリサリオが、執務室に入る。
「どうだ?ベリサリオ。データの蓄積具合は。私はそろそろ、二期生の義体の
候補を選別できる段階に来たと思っているんだが。」
「そうですね。後は、チームで仕事をした時のデータが欲しいですな。それが
揃えば完璧です。とは言え、そろそろ義体の候補の選別には入れます。よろし
いでしょうか?」
「ああ、早速入ってくれ。担当官の候補は揃っている。こっちは準備万端だ。」
「解りました。早速候補の選別に入ります。」
 ベリサリオが執務室を出た。

「チームを作ってこなす任務を、やらせたいな。」
数日後、演習場でキャロルの訓練を見ながら、アルフは呟く。
「どうしたんだ?急に。」
 横にいるヒルシャーが、尋ねる。
「一通り、任務はこなせるようになったからな。そろそろ、他の義体とチーム
を作ってこなす任務の経験を積ませたいと思ってな。単独でやる場合とチーム
を組んでやる場合じゃ、同じ任務でも違うだろ?」
「確かにな。」
 ヒルシャーが頷く。
「希望としてはだ。トリエラと組ませたいな。一期の義体じゃ、一番能力も高
い。他の義体の面倒見もいい。理想的だと思ってる。」
「それは、光栄だな。二人で課長に掛け合ってみるかい?」
「その必要は無い。」
 アルフとヒルシャーが話していると、ジャンが話しかけてきた。
「2人とも、訓練が終わった後、課長室に来い。俺は先に行っている。」

「トスカーナですか?」
「ローマ派とトスカーナ派が連携してのテロの気配が見られる。現地でそれを
潰してもらいたい。」
 ヒルシャーの質問に、ロレンツォが答える。
「つい最近、ローマ派の幹部を2人も殺したばかりですが、いや、だからか…。」
「そういう事だ。ヴェネツィア派も動きを見せ始めているが、そちらの方は、
ジョゼ・ヘンリエッタ組、ベルナルド・ベアトリス組のフラテッロに叩かせる。
お前達は、トスカーナを叩いてくれ。これが資料になる。今日中に目を通して
おいてくれ。」
 ジャンはすでに受け取っていて、アルフとヒルシャーに資料が渡される。
「こいつ…!!」
 資料に軽く目を通したアルフから、殺気が漂う。
「知っている顔でも見たのか?」
「ええ、知っている顔ですよ。こっちにはさすがに来ていないか…。」
 資料にある、男の写真を見ながらアルフは、男の名前を口にする。
「ヤーセル・アル・カリド…!!」

「狙いはやはり、フィレンツェでしたか。ここにトスカーナ州の州都ですから
ね。県庁所在地でもある。やつらが狙うにはうってつけだ。」
 地図を広げながら、ヒルシャーはフィレンツェ県の県庁を見ていた。
 フィレンツェに入ったアルフ達は、民家を借り上げパダーニャの動向を探っ
ていた。
「やつらは、観光地でテロをする事はしない。スポンサーが怒るからな。とな
ると、狙いは絞れる。」
「ですね。そろそろ、向こうも動きを見せるころだな。」
 ジャンの意見に頷きながら、自分の見解を言う。
 その時、数日先に来ていたフェッロから、ジャンの携帯に連絡が入る。
「解った。引き続き監視を続けろ。」
 ジャンが電話を切る。
「向こうが動き出す。裏路地を通る頃に、仕掛ける。」
「ジャンさん。解っているとは思いますが、最低、一人は生け捕ってください。
聞きたい事があります。」
「解っている。キャロルを連れて行くぞ。例の銃での訓練もさせていたそうだ
な。」
「ええ。成る程、だから持って来させたわけか…。キャロル、行ってこい。」
「アルフさんは行かないんですか?」
 キャロルが不安そうに、尋ねる。
「ああ、ここで吉報を待たせてもらうよ。」
「はい。行ってきます。」
 アルフの頬にキスをして、狙撃銃が入ったチェロケースを持ってジャンとリ
コについていく。
「さっきみたいなこと、あるのかい?」
「最近、多いな。どういうことなんだかね…。」

「こちらの準備は整った。フェッロ、目標は?」
「あと5分ほどで、そちらに到着します。」
「解った。」
 携帯を切る。
「キャロルは車のエンジンを狙え。足を止めたら、リコは運転手を仕留めろ。
もう一人は殺すなよ。いろいろ聞きたい事があるからな。」
「はい。」
「はい。」
 間もなくすると、目標の車が近づいてきた。
「キャロル。足を止めろ。」
 ジャンの指示で、キャロルの狙撃がエンジンに命中し、車が止まる。
 PGM ヘカートU。
 対物射撃用の.50BMG弾を使用する、強力な狙撃銃である。
「リコ、やれ。」
 リコは愛用のSVD ドラグノフで運転手の頭を狙う。
 運転手の頭に命中し、小さな噴水ができる。
 恐怖におののく、同乗していた男を、ジャンが捕らえる。

「さて、ちょっと聞きたいことがある。話してくれるか?」
 口調は穏やかだが、アルフの視線からは殺気すら感じられる。
「話すことはねえよ。政府の犬が。」
 両腕を縛られた男が、嘲笑しながら拒否する。
「少し、痛い目を見なければ、話す気にならないらしいな。」
 ジャンが、マガジンを抜いた拳銃で、男の頬を殴りつける。
「その程度で吐くか。」
 血の混じった唾液を床に吐きながら、男は尚も話そうとしなかった。
「ジャンさん。隣の部屋、借りますよ。」
「どうする気だ?アルフ。」
「話す気にさせるだけですよ…。」
 アルフの表情は、酷く冷たかった。

 1時間ほどして、男を連れてアルフは戻ってきたが、男の方はひどい有様だ
った。
 鼻骨は砕けて、鼻は完全に潰れており。歯は全て折られて顎も砕かれたのか、
顔の半分は血まみれになっていた。
 手の指は全てありえぬ方向に曲がっている。
 この1時間、ジャンたちの耳に聞こえてきたのは、殴る音。骨が折れ、砕け
る音。苦痛の叫びだった。
「いくら、何でもやりすぎだろう。」
 ヒルシャーが咎める。
「奴に関して、どうしても情報を聞き出したかったんでな。ま、今回は空振り
だったが…。」
「ヤーセル・アル・カリドか?」
「ええ、武器はそいつから仕入れたのは間違いないそうですが、イタリアには
来ていないようです。」
「確か、アラブの闇の武器商人だったな。」
 ヒルシャーが、資料にあった情報を思い出す。
「もう一つ、顔を持っているがな…。奴らは、県庁を襲うつもりだ。時間は、
7時。職員が残っている時間帯を狙うらしい。」
 アルフが、吐かせた情報を知らせる
「あと5時間か…。よし。俺が指揮を取る。リコとヒルシャーはバックアップ。
お前は、トリエラとキャロルを援護しろ。」
「解りました…。」

「中にいるのは12人か…。また結構な人数だな。」
 G36Cの点検をしながら、アルフは呟いた。
「リコとヒルシャーは、狙撃で奴らを大人しくさせろ。お前はトリエラとキャ
ロルを連れて、内部を制圧だ。今回はテロを未然に防ぐのが主な目的だから、
奴らの生死は問わない。」
「了解。」
 アルフがトリエラとキャロルを連れて行き、ヒルシャーとリコが狙撃の用意
をする。

「ジャンさん。狙撃の準備完了しました。」
 リコはドラグノフの、ヒルシャーはG36の民間モデルをベースに開発され
たSL−9SDの点検を終えて、ヒルシャーが連絡を入れる。
「突入準備完了。いつでもいけます。」
 アルフが、連絡を入れる。
「作戦開始。」

 リコが狙撃で2階にいた男の頭部を撃ち抜く。
「公社の連中か!!」
 男が叫んだと同時に、ヒルシャーの狙撃で2人目の犠牲者を出す。
「部屋を出ろ!狙い撃ちにされるぞ。アドネは突入に備えろ!!」
 リーダーが、全員に指示を出す。
「突入。」
 ジャンが指示を出す。
「よし、いくぞ。俺はバックアップ。主役はお前達だ。キャロルはチームを組
んでの任務のコツを今回で出来るだけ理解しろ。」
「はい。」
「解りました。」
「よし、行くぞ。」

 中に入った3人を、軽機関銃の銃撃が襲う。
 左右に散る3人の跡を、ステアー AUGの銃撃が追いかける
「サコー M60か。随分な物を持ってきやがったな。おまけにAUG。随分
武器が充実してやがる…。」
 アメリカ製の軽機関銃で、現在でも米軍等で使用されている。
 AUGはブルバップ型のアサルトライフルで、完成度の高さから、生産国の
オーストリア以外でも使用されている。
 今までのパダーニャの武器は、ロシアやイタリア軍内部から流れた物で、公
社が入手ルートを遮断したが、他のルートを確保し以前にも増して、充実して
いる。
「機関銃は俺が黙らせる。その後、突入しろ。」
「はい。」
 キャロルが答え、トリエラもアルフの表情から、悟って頷く。
 アルフが機関銃を撃っている男に、狙いを定める。
「機関銃の威力で黙らせて、その間に他の連中で蜂の巣にしようとしたんだろ
うが、そう上手くはいかないぜ。」
 G36Cの弾丸が、機関銃を撃っている男に命中する。
 銃撃の勢いが弱まったところに、トリエラの銃、ウインチェスター M18
97の散弾が、AUGを撃ちまくる男たちを襲う。
 ボディーアーマーを着こんではいたが、手や顔といった無防備な部分を散弾
が容赦なく襲い、激痛で男達は蹲る。
「残りが来るわ。キャロル、お願い!私が援護する。」
「解った。」
 右から来る男たちをトリエラが牽制している間に、キャロルが左から来る男
たちをカービンで仕留める。
「そろそろラストか。」
 右からさらに、来る。
「足を止める。トリエラお願い!」
 キャロルの援護射撃を受けて、トリエラが残りを仕留める。
「制圧終了。こちらは損害なし。パダーニャには2名生存者がいます。何らか
の情報が引き出せるはずです。」
「解った。すぐ、そちらに行く。」
 携帯を切って、アルフがジャンとの通話を終了させる。
「よくやったな。援護も上出来だ。」
「ありがとうございます。あの、その…。」
 もじもじするキャロルを見て、アルフは頬にキスをしてやる。
「戻ったら、また訓練だ。頑張ろうな。」
「はい!」
 2人のやりとりを、トリエラは複雑な表情で見ていた。

「ただいま。」
「お帰りなさい。どうしたの?何か不機嫌そうよ。」
 トリエラの表情を見て、クラエスが尋ねる。
「別に、ちょっとね…。」
 トリエラはアルフとキャロルの事を、話した。
「貴方らしくないわね。嫉妬してるの?」
 読んでいる本から、視線を話さずに、クラエスが尋ねる。
「そんなんじゃないわよ!!ただ、何だか…。」
「何だか?」
「自分でも解らないの。どういう風に処理すればいいのか…。」
 トリエラはベッドに横たわる。
「一度、頬にキスでもねだってみたら?ヒルシャーさんなら、大丈夫だと思う
けど。」
 答えは返ってこなかった。

「あきれたもんだな。米軍の横流しをよく扱う気になったもんだ。最近のアラ
ブ人は、アメリカにはいい感情を持っていないはずじゃないのか?」
 パダーニャのアジトからは、アメリカ製の武器、軍用爆薬が大量に見つかっ
た。
「あいつは、そういう事に私情ははさまないさ。相手が望むものを望むだけ調
達して売りつける。そういう奴だ。」
 報告書を作成しながら、アルフはヒルシャーの疑問に答えた。
「随分とドライな考え方をするんだな。奴もイスラム教徒なんだろ?」
 ここ数年の米軍の軍事行動に対して、アラブ人は強い反感を抱いている。
 常識的に考えれば、アメリカ製の武器など触りたくもないはず。
 ジョゼはそう考えていた。
「あいつが、神様信じているとは思えんね。でなきゃ、もう一つの顔を持って
いるわけが無い。」
「そう言えば、もう一つの顔とは何だ?」
 ジャンが気になっていたらしく、尋ねる。
「戦争マニアですよ…。」
「何だいそれ?」
 ジョゼが首を傾げる。
「自分が売った武器が戦争に使われて、人が殺し合いをする事に生きがいを感
じる最低野郎ってことだ」
「何てやつだ。それで、イタリアのパダーニャに目をつけたのか。」
 ヒルシャーが呆れはてる。
「パダーニャの武力闘争を嗅ぎつけたんだろうな。そして、武器の入手ルート
を潰されたパダーニャは、なりふり構わず奴と取引をした。ま、そんな所だろ
う。ジャンさん、報告書の作成終わりました。」
 保存しているUSBメモリーを渡す。
 そして、ビアンキのところに行った。

「どうだい。ここのところは?」
「それは、こっちが聞きたいね。何だ?ここのところのキャロルは。」
 この数日、キャロルがアルフとのスキンシップを求めるようになっていた。
「条件付けが軽い分。君との距離を縮めたがっているんだろうな。」
 ビアンキがコーヒーを淹れる。
「何だよ?それ。その内、口と口とのキスを求めてきて、挙句の果てにはいく
ところまでいきたがるのか?俺は、そっちの趣味は無いぞ。」
「そこまでいくかは、様子を見ないと何ともいえないが、露骨に距離を取ろう
とすると、キャロルが不安定になるぞ。」
「解った。そこのところは考えとく。」
 アルフはビアンキの部屋を出た。

『ヤーセル・アル・カリド…。』
 その人物の名前が浮かんだだけで、怒りが、憎しみが、湧きあがってくるの
をアルフは感じた。
『まさか、イタリアまで来て、お前と関わるとはな…。』

後書き
体調不良やら色々あって、相当に久しぶりの更新です。
実は原稿自体は、とっくに出来上がっていたのですが、どうにもアップするような
モチベーションではありませんでした。
最近も、よくはありません。
詳しくは、ブログの日記をご覧ください。
他の義体とチームを組んでの経験を積ませるなど、キャロルの指導に余念のな
いアルフですが、怒りに満ちた過去の出現です。
これが、話に少なからず関わってきます。
そして、キャロルのアルフへの想い。
義体に加えて、実質的にはローティーン。
あまりに高すぎるハードル。
キャロルはこれを、どう思うのでしょうか?

次回第5話ナポリ
風光明美な都市で、観光地としても有名です。
今度の、2人の任務の部隊です。
2人に与えられる任務とは?

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