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zoom RSS コードギアス二次小説 OTHER TURN04 御前試合 再び

<<   作成日時 : 2009/05/07 20:56   >>

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アフリカ西部のガーナ。
首都でもあり、EUの重要な軍事拠点の一つであるアクラで、EU軍とブリタニア
軍は激闘を続けていた。
「足りぬ!貴様らでは足りぬわ!!」
 大型のナイトメアが、大剣でEUの主力ナイトメアパンツァーフンメルを、斬りふ
せていた。
 ナイトメアフレームギャラハッド。
 ブリタニア帝国最強の騎士、ナイトオブワンビスマルク・ヴァルトシュタインの搭
乗機である。
 スザクとジノが赴いた、西サハラ、モーリタニア攻略戦の後、EUは軍アフリカ
南部の軍を集結させ、ブリタニア軍と激闘を続けていた。

 戦況を考慮したシュナイゼルは、シャルルにラウンズを送り早期に攻略作戦
を終了させるべきと意見を述べ、シャルルはビスマルクをその任に当たらせた。
 アフリカに赴任したビスマルクは自ら陣頭に立ち、優れた采配と自らの武勇
で、次々と大西洋側のEUの軍事拠点がある地域を、占領していった。
「こんな有象無象では、この血の滾りは収まらぬわ!!」
 エクスカリバー。
 シャルルが自ら命名した大剣が、パンツァーフンメルを残骸に変える。
「ヴァルトシュタイン卿、アクラのEU軍が降伏を申し出てきました。」
 副官のブラウンから通信が入った。
「受け入れると返信しろ、お前はEU軍の残存部隊の武装解除を進めろ。」
「イエス、マイ・ロード。」
 通信が切れる。
『こんな有象無象の相手など、するだけですら馬鹿馬鹿しいわ!!』
 スザクとジノの御前試合から、間もなく2ヶ月が経とうとしている。
 その間にスザクは功績を立て、EUからは「ブリタニアの白き死神」と呼ばれ、
恐れられている。
『そう。奴だ。スザクでなければ、この血の滾りは収まらぬ…。』
 飢えた野獣のように、ビスマルクはスザクとの戦いを望んでいた。

「陛下、ビスマルク・ヴァルトシュタイン。ただいま、戻りました。」
 玉座に座るシャルルに、ビスマルクは恭しく跪き、帰還の挨拶を述べる。
「ご苦労。アフリカでの働きぶり、聞いておる。さすがは帝国最強の騎士ナイト
オブワンよ。」
「光栄にございます。」
「何か望む物があれば、申してみよ。」
「それでは、一つ望むものがあります。」
「何だ?」
「ナイトオブセブン、枢木スザクとの御前試合をお許し下さい。」
「ほう。お前がその様な事を望むとは、珍しいな。よかろう。余も興味がある。」
 興味を持ったシャルルは、許可する。
「ありがとうございます。ルールに関してでございますが…。」

「御前試合、ですか…?」
「うん。しかも、相手はヴァルトシュタイン卿。」
「ロイドさん。ナイトオブワン相手の御前試合ですか?」
 セシルは驚きのあまり、手に持った書類を落としそうになる。
「そっ。何でも、アフリカ戦線の戦いでの褒美として、陛下が許可なされたそう
だよ。」
「つまり、ヴァルトシュタイン卿がスザク君との御前試合を、望まれたのです
か?」
 書類をロイドに手渡しながら、セシルが尋ねる。
「まあ、そういうことだね〜。ヴァインベルク卿との御前試合の後、アフリカで派
手に暴れたでしょ。御前試合の事とあわせて、スザク君との手合わせを望んで
るって噂を耳にしたこともあったしね〜。」
 書類にサインをして、ロイドはセシルに手渡す。
「僕とですか…?」
 スザクが不思議そうな表情で、僅かに首を傾げる。
「まっ、とにかく頑張ってね〜。今のランスロットなら、ギャラハッド相手でもそう
遅れはとらないよ〜。」
「ロイドさん。そんな人事みたいに…。」
「では、僕はシミュレーションを始めます…。」
 心配そうなセシルとは対照的に、スザクは冷静だった。

「エリファレット!ちょっと、いいか?」
「どうしたんだい?ジノ。珍しく慌てて。」
 帝都ネオウェルズのブリタニア宮の一角、イルバル宮にある執務室で執務を
していたエリファレットは、泡を食ったようなジノを見て尋ねる。
「スザクとヴァルトシュタイン卿が!?」
 エリファレットが来客用のテーブルの上で、身を乗り出す。
「ああ。」
「しかし、スザクの実力は君との試合で、充分に示されただろう!?アフリカに
出陣した時の武勲もある。誰かが不満でも漏らしたのか?」
 ジノとの御前試合で5対1と圧倒的なスコアで勝利し、西サハラ、モーリタニ
ア攻略でブリタニア軍を勝利に導いたスザクではあるが、ナンバーズ出身とい
う事もあり、保守的な貴族階級からはよい目では見られていなかった。
「それだったらいつもの事さ。とはいえ、真っ向からスザクとはりあう度胸のある
奴はいないさ。カラレスの野郎もアフリカの事で物の見事に面子丸つぶれだし
な。」
 スザクの策で西サハラを攻略した後の、モーリタニア攻略でもカラレス一人が
無駄に犠牲を出し、スザクがそれを救うという有様であった為、カラレスに対す
る評価は下がる一方だった。
「では、何故?」
 顎に手をやり、エリファレットは考え込む。
「ヴァルトシュタイン卿が、陛下にお願いしたらしい…。」
「という事は、まさか…。」
「多分、そのまさかだな…。」
 二人とも腕を組んで考え込む。
「御前試合とはいえ、これは危険だな。無事に終わればいいが…。」
 エリファレットは溜息をついた。

 3日後、御前試合の日が来た。
 ナイトオブワンのビスマルクの御前試合ともあって、いつもとは観客の熱気が
違う。
「嫌な雰囲気だね…。」
「無理も無いだろ。あいつらが嫌っているスザクが、無様に叩きのめされる所を
見られると考えている。嫌でも、熱くなるさ。」
 そう言う、2人の表情は不快その物だった。
 確かにスザクはナンバーズだが、一等兵から武勲を立て続け昇進しラウンズ
に加わっている。
 血縁や家柄で、ラウンズに加わる者はいない。
 相応しい武勇を持つ物だけが、ラウンズに加わる事を許される。
 しかし、保守的な思想で凝り固まった貴族達にはそれが理解できないし、受
け入れる事も不可能である。
 貴族達は病的なまでの血統主義であり、将軍の地位もラウンズの地位も相
応しい家柄の者に与えられるべきだと考えているからである。
「ただ、今回の相手はスザクだ。ヴァルトシュタイン卿でも一筋縄ではいかない
だろう。それで少しでもスザクに対する見方が変わるといいけど…。」
「まあ、無理っぽいな…。」
 二人は顔を見合わせて、溜息をつく。

「ナイトオブセブン、枢木スザク子爵。搭乗機ランスロット。」
 優美なフォルムをしたランスロットが、コロッセオに降り立つ。
「次にナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタイン侯爵。搭乗機ギャラハッ
ド。」
 通常のナイトメアに比べて5割程度大きい、ギャラハッドがコロッセオに降り立
つ。
 その瞬間、観客からは大きな声援が送られた。
「気に喰わん奴らだ。それほど、スザクが気に入らないのなら、自分たちでラウ
ンズの地位を奪い取ればよい物を。」
 席に座ったノネットが、吐き捨てるように言う。
「それが出来ないから、他人に任せて愉悦に浸る。それしかできないから…。」
 アーニャが淡々と言う。
「要するに、虎の威を借る腰抜け狐の集まりよ。ブリタニアの特権階級は、有能
な人間の事を指すという事も忘れているから、間抜け狐でもあるわね。」
 クローディアが、こき下ろす。

「始め!」
 ギャラハッドの大剣が、ランスロットを襲う。
 身を屈めてランスロットはかわすが、振り下ろされた大剣は的確にランスロッ
トを狙っている。
 後退してかわしたランスロットが、長剣を手にギャラハッドに挑む。
 次々と繰り出されるランスロットの鋭い打ち込みを、ギャラハッドは大剣で防ぎ
続けた。
「さすがにナイトオブワン。手強い…。」
 一旦距離を取ったスザクは、ビスマルクの強さを思い知っていた。
「ふふふふ。そうだ。この感触。これを私は求めていた。この試合、存分に楽し
ませてもらうぞ。」
 ギャラハッドが大剣を振り上げてランスロット目掛けて、突っ込んでいく。
 振り下ろされる大剣をかわしたランスロットが、ギャラハッドの側面に回ったか
と思うと、信じられない速度でギャラハッドの後を取る。
「あれは、俺との御前試合の時の!」
 ランスロットは腰部のスラッシュハーケンを地面に打ちこみ、巻き戻すスピード
を加えて、通常以上の速さでギャラハッドの背後に回っていた。
 そして、ギャラハッドに斬りかかる。
「甘い!」
 ランスロットの機動に合わせて、ギャラハッドがランスロットを正面に見すえて、
大剣を振り下ろす。
「くっ!」
 ランスロットの長剣で、斬撃を防ぎながら巧みに受け流していく。
 受け流されて隙が出来た瞬間を、スザクが見逃すはずは無く、衝撃パッチを
狙い、鋭い突きを繰り出す。が、ギャラハッドは巧みにかわして、大剣を斬り上
げてランスロットを狙う。
 長剣で防ぎながら、スザクはランスロットを後退させて、ポイントを奪われるの
をどうにか防ぐ。

「凄いな…。」
「ああ…。ヴァルトシュタイン卿はもちろんだが、スザクもそう遅れは取っていな
い。」
 エリファレットとジノは、ビスマルクとスザク双方の技量に息を飲む。
「私達なら、もう2ポイントぐらい取られてもおかしくは無い。」
 ノネットが感嘆の声をあげる。
「でも、逆に危険…。」
「そうね。ヴァルトシュタイン卿がますます熱くなる…。」
 アーニャとクローディアは、今後の試合の展開に危険なものを感じていた。

「さすがに手強いね〜。」
「ギャラハッドは近接戦闘に特化した機体ですし、相手があのヴァルトシュタイ
ン卿ですから…。」
 機体状況をモニターしながら、セシルは試合の行方に不安を感じていた。

「巨体とはいえ、あの大剣をまるで小枝を振り回すみたいだ。おまけに隙が見
えない…。」
 次々と攻撃を防がれ、スザクは攻めあぐねていた。
 だが、考える余裕もなく、ギャラハッドの攻撃にさらされる。
「何て、パワーだ。いかに相手がランスロットより重量級とはいえ…。」
 操縦桿を握るスザクの腕に、ギャラハッドの斬撃を防いだ時の衝撃が伝わっ
てくる。
 並みの騎士では、操縦桿を握る事もままならなくなっているだろう。
「だが、こちらに攻め手がないわけじゃない!」
 腰部のスラッシュハーケンを地面に打ち込み、ギャラハッドの上を取る。
「良い手だな。だが!!」
 ギャラハッドの左手の指のスラッシュハーケンが地面に打ち込まれ、上空に
いるランスロットに迫る。
「僅かだが、遅い!」
 ランスロットが長剣を振り下ろす。
 ギャラハッドが右の大剣で、巧みに受け流す。
「まずい!」
 エリファレットが思わず声を出す。
「罠か!」
 スザクがビスマルクの思惑に気づく。
「ほう。あえて受けて立つか!!」
 ギャラハッドに上を取られたランスロットは、長剣を交差させながら腰部のスラ
ッシュハーケンの射出角度を調整する。
「ならば、受けてみよ!!」
 大剣がランスロットに振り下ろされる。

「ぐっ!!」
 ランスロットのコックピットのモニターに各部のダメージが表示され、警告音が
響く。
「ぬうううああああっ!!」
 ビスマルクはギャラハッドのパワーを最大限に活かしながら、ランスロットの長
剣の防御を突破し、胸部のセンサーパッチを捉える。
「スザク君!!」
 その衝撃で、ランスロットは吹き飛ばされる。
「まだだっ!!」
 スラッシュハーケンとランドスピナーを巧みに使いながら、ランスロットは再びギ
ャラハッドに迫る。
「少し遅かったな!!だが、よく向かってきた!!」
 2ポイント目を取ろうと、横薙ぎでギャラハッドの大剣がランスロットを狙う。

「何!?」
 ランスロットを捉えたと思った大剣は、ランスロットの左脇に挟み込まれていた。
「隙あり!!」
 右腕のスラッシュハーケンが、ギャラハッドの胸部の衝撃パッチを捉える。
「見事だ。だが!!」
 大剣を挟み込まれた状態を意に介さず、ビスマルクはギャラハッドの大剣を振
り上げる。
 そして、その状態でランスロットをフルパワーで地面に叩きつける。

「これ以上はまずい。ヴァルトシュタイン卿は御前試合のルールなどもう気にし
ていない。このままだと、スザクを殺しかねない。」
 だが、試合を止める権利は皇帝であるシャルルしか持っていない。
 エリファレットが止めたいと思っても、止める事はできない。

「左腕が…。」
 ギャラハッドのパワーを乗せて地面に叩きつけられたショックで、ランスロット
の左腕は使い物にならなくなっていた。
「だが、まだやれる。終われない…、このままでは終われない…。死んだユフ
ィの為にも!!」
 ランスロットの左腕をパージして、残った右腕で長剣を構える。
「スザク!もう止めろ!!これだけやれば充分だ!!」
 セシルから通信端末を借り、ジノがランスロットに通信を入れる。
「残念だけど、それは無理だね。」
 そう言って、スザクは通信を切る。
「もう一太刀…。せめて、もう一太刀浴びせないと…。」

「まだ戦えるか…。ならば…。」
 ビスマルクはギャラハッドのコックピットから降り、コックピットに持ち込んでい
た鍛錬用の大剣を抜く。
『そういう事か…。』
 騎乗する際に、刃引きをした鍛錬用の剣を持つように言われた意味が解った。
 コックピットから降り、スザクも剣を抜く。
「これより先は、互いの剣の技量での戦いとなる!!」
 ベアトリスが高らかに宣言する。

「やっぱりな!!」
 滲んだ汗が、ジノの端正な顔から滴り落ちる。
 ナイトメアが実用化されてからは、御前試合はナイトメアでの戦いとなり、騎士
の純粋な剣技で勝敗を決める戦いは御前試合からは消えた。
 それに対し、ビスマルクがいずれ相応しい相手が現れたら、剣技を競い合い
たいと考えている事はブリタニアの騎士たちの間では知られていた。
「まさか、相手がスザクとはね…。」
 エリファレットも険しい表情になる。
「あとは、スザク次第…。でも…。」
「でも、何だアーニャ?」
 ノネットが尋ねる。
「多分、大丈夫…。」
 アーニャが答える。
「だといいけど…。」
 心配そうにクローディアは、スザクを見る。

『ほう、あれだけ戦っても尚闘志が目から消えておらんとはな…。』
 ビスマルクの感情の高ぶりに比例するかのように、ピアスで塞がれた左目か
ら赤い光が漏れる。
『何だ、あれは?いや、今は戦いに集中する時!』
 スザクは剣を手に、ビスマルクに突進する。
 斬りかかるが、ビスマルクの大剣に防がれる。
「甘いな!!」
 ビスマルクが斬りかかろうとしたが、既にスザクは正面にはいなかった。
「速い!!」
 ノネットが驚く。
「いい動きだ。だが!!」
 横から斬りかかろうとするスザクの動きを読んだビスマルクは、剣戟を受け流
しながらスザクの後を取り、大剣を振り下ろす。
「くっ!!」
 スザクは受け止めるが、不利な態勢で受け止めたため、じりじりと押されてい
く。
「ロイドさん!いくら鍛錬用の剣とはいえ、ヴァルトシュタイン卿の大剣では、
スザク君の生死に関わります!!」
「解ってる。でも、僕達には止められない。あとは、スザク君が無事に帰ってくる
のを祈るしかない…。」
 セシルにそう答えながら、ロイドは戦いの行方を見守る。

『このまま受け流すのは無理か…。ならば…。』
 受け止めきれずに、大剣がスザクの左肩に当たる。
『今だ!!』
 激痛に耐えながらも、スザクは渾身の蹴りをビスマルクの腹に繰り出す。

「ぬおっ!!」
 不意に繰り出されたスザクの蹴りをまともに喰らったビスマルクは、後ずさりし
態勢が崩れる。
「ヴァルトシュタイン卿が…。」
 観戦していた貴族の一人が、唖然とする。
『左肩の筋肉に意識を集中させて硬化させ骨へのダメージを防いで、その隙を
狙ったか。』
「ふふふふふ。面白い。面白いぞ。ここまで戦いを楽しいと思ったのは、いつ以
来か…。」
 ビスマルクの大剣が再びスザクを襲う。
 スザクも防戦しながら反撃するが、やがて一方的に押され始める。

「はあっ、はあっ、はあっ…。」
 剣戟は二十合に及び、激しいナイトメア戦の後もあって、スザクの体力は限
界に近づいていた。
『まだやれるのか…。これがナイトオブワンの実力。今はまだ敵わないか…。』
 必死に息を整えながら、崩れそうになる自分の体を必死に支える。
『まだ、崩れぬか。相当体には堪えているはずだが。』
 数回スザクは、ビスマルクの剣戟を体に受けている。
 立っていること事態が奇跡に近い。
『よもや、私に剣戟を当てるとはな…。』
 2回だが、スザクの剣戟はビスマルクを捉えている。
「だが、そろそろ終わりだ。」
 ビスマルクが大剣を握る手に力を籠める。
 それを見て、スザクも構える。

「もう、良かろう。既に勝負はついておる。」
 シャルルが突如立ち上がり、御前試合の終了を宣言する。
「枢木。それは、お前が一番良く解っていよう。だが、よい戦いであった。ナイト
オブワン相手のお前の奮戦。見事であったぞ。これからも鍛錬を怠る事無く励
め。」
「イエス、ユア・マジェスティ。」
 ビスマルクと共にスザクが恭しく跪く。
 シャルルがコロッセオから姿を消して、観客たちも帰り始め、スザクもビスマル
クに一礼して、ロイド達の元に戻る。

「血の滾りは収まったか?ビスマルク。」
「はっ。あれほど存分に戦えたのは久方ぶりでございます。」
 シャルルの部屋の一つで、ビスマルクはシャルルと話していた。
「そうか。で、枢木をどう見る?」
「逸材ですな。陛下にたいする忠誠心はもうしばらく見定める必要はありましょ
うが、剣とナイトメア戦での技量に身体能力は卓越した物を持っています。」
「ほう。そなたがそこまで評価するとは珍しいな。将来、ナイトオブワンになる可
能性もあると見るか?」
「その可能性は充分にあるかと。」
「そうか。下がってよい。」
 恭しく礼をして、ビスマルクは部屋を出る。

「骨折は認められませんし、内臓も問題ありません。ですが、3日は静養してく
ださい。疲労も激しいですしね。」
 ラウンズら高級軍人専用の病室で、スザクはベッドに横たわりながら医師の
説明を受けていた。
 御前試合が終わった後、スザクはセシル達の強い勧めで精密検査を受けて
いた。
「ふう。とりあえず、一安心か。」
 ジノが胸を撫で下ろす。
「そうだね。でも念の為、後でもう一度検査は受けておいた方がいいかな。」
 エリファレットは、後の再検査を勧める。
「ちょうど3日後は、定期検査の日だからちょうどいいな。」
 ノネットが、賛成する。
「ですな。それでは失礼いたします。」
 医師が退室していく。
「それにしても、負けたとはいえあのヴァルトシュタイン卿相手に、よくあそこま
で戦ったわよね。」
 クローディアがスザクの技量を賞賛する。
「でも、結局負けは負けでしかない…。検査の結果が問題なければ、すぐにで
も鍛錬を始める。」
「スザク君…。」
 セシルの表情が曇る。
「スザク、一つ聞いていい?」
「何だい?アーニャ…。」
「どうして、そこまで勝ちにこだわるの。」
 いつもように表情はないが、アーニャの目はスザクの心を見抜こうとしている
ようだった。
「そう見えるかな…。別に勝ちにこだわってはいないよ。ただ、腕を磨きさらに
前に進む事にこだわっているだけ…。」
「何故…?」
「誓いだよ…。多分、誰にも話さないだろうけど…。」
「コーネリア殿下の命が、関係しているのか?」
 気遣わしげに、ノネットが尋ねる。
「多少は…。」
 それ以上、スザクは話そうとしなかった。

「枢木スザク。あそこまで私を高ぶらせた相手は、マリアンヌ様以来か…。」
 屋敷でウィスキーを飲みながら、ふとピアスで塞がれた左目を手で触れる。
「もう少し続いていたら、使ったいたやもしれんな。」
 楽しげな笑みを浮かべる。
「底辺の一等兵から這い上がり、ラウンズになった男。見込みは充分にある。
願わくば、奴の栄達に奮起して優れた騎士が現れて欲しいものだが、貴族ども
からは難しいか…。」
 ブリタニア人とナンバーズを明確に差別する事を国是としているのがブリタ
ニアであるが、ビスマルク自身は実力主義者で、実力があれば人種や出自は一
切気にしない。
 それ故に、スザクも評価しているし、名門貴族という社会的地位にしがみつい
たままスザクを批判する貴族たちを嫌っていた。
『文句あるのなら、実力でスザクの地位を奪えばよい物を…。これではラウンズ
の席が全て埋まるのはまだまだ先か…。』
 溜息をウイスキーと一緒に飲み干す。
「昇ってみせよ。どこまでも。それで私を上回るのなら、ナイトオブワンの地位、
いつでもくれてやるぞ。枢木スザク。」
 再び楽しげな絵美を浮かべる。

後書き
外伝であるOTHER TURNの第4話です。
第2話でビスマルクが望んだとおり、スザクとの御前試合の話になります。
まだまだ、スザクはビスマルクには及びません。
それを主題にして書く事は決まっていたので、後はそれをどう表現しようか、考
えました。
結果、ビスマルクが圧倒的な技量でねじ伏せる形になっています。
もう一つ書きたかったのは、ビスマルクのスザクに対する評価です。
アニメを見て思ったのですが、ビスマルクはスザクの騎士としての技量は偏見
無しにきちんと評価していたと思うんですよね。
そこの所を私なりに書いてみたいなと思いました。
ラウンズの話は、ネタが思い浮かべばまた書きたいと思っています。
リクエストがある方は、コメントにお書きいただければ実現したいと思っていま
す。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ひさしぶりに1話から一気読みをしました。
改めて読んでおもしろいと思っています。
続きも楽しみにしております。
うり
2009/07/12 00:37
うりさん。
コメントありがとうございます。
続きは出来る限り早くUPする予定です。
お楽しみいただければ幸いです。
CIC担当
2009/07/16 22:26

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