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zoom RSS コードギアス 二次小説 OTHER TURN03 白き 死神

<<   作成日時 : 2009/02/26 23:13   >>

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「スザクはアフリカへ向かったか?」
 執務の傍ら、副官のアリステア・ブラウンに、ビスマルクは尋ねる。
「はっ。ヴァインベルグ卿と共に、西サハラとモーリタニアの制圧に向かわれ
ました。」
「確かその方面の司令官は、カラレス侯爵だったな?」
「はっ。」
「成る程…。力押ししかない能無しの尻拭いか…。もっと相応しい任務がある
だろうに…。」
 ジノとスザクの御前試合から一ヶ月が過ぎ、かねてからの計画どおり、改修
を終えたランスロットと共に、スザクは西サハラとモーリタニアの制圧の命を
受け、現地に向かっていた。

 セウタを失ったEUは地中海に面する北アフリカの重要拠点を全て失い、補給
に大きな問題を抱えていた。
 現在は、大西洋に面する軍港を使用せざるをえなくなっており、ブリタニア軍
は、大西洋沿岸の地域に軍を派遣し、EU軍と激しい戦いになっている。
 今回、スザクが攻略に向かう西サハラにはダクラが、モーリタニアには軍用
飛行場もあるヌアクショットがあり、EUの重要な軍事拠点となっていた。

『北アフリカは、既にブリタニアの勢力範囲。後は大西洋に面する地域を制圧
していけば、補給が途絶えたEU軍は疲弊し、もはや戦えない…。』
 執務室のデスクの端末にアフリカの地図を呼び出して、スザクは今回の任務
について考えていた。
『一つの点だけでは線は出来ない。その事はEUも承知しているはず。うまくや
らないと、アフリカ南部のEU軍に側面や背後を突かれる。楽観はできない
な…。』
 大西洋側の拠点という点と線を結ぶ為の、アフリカ南部のEU軍の拠点とい
う点。
 すなわち、アフリカ南部のEU軍に側面を突かれて、挟撃されるリスクをスザ
クは危惧していた。
『なのに、戦術に工夫が無い…。ただ力で押せば、受け流された挙句に戦線
を引き伸ばされて、各個撃破にあう可能性も高くなるというのに…。』
 ここ数日の、戦況を見ながらスザクはそう考えていた。
 実際、伸びた戦線に奇襲を受けての損害は、決して少なくない。
 さらに、後退するEU軍の縦深陣に引きずり込まれての損害もある。
『このままでは、まずいな…。』
「スザク君。ちょっといいかしら?ヴァインベルグ卿がお見えよ。」
 対抗策を考えている時、艦橋にいるセシルから通信が入る。
「今、どこですか?セシルさん。」
「お前の執務室の前だよ。」
 端末に、ジノの顔が映る。
「紅茶を2人分、お願いします。」
「すぐに持っていくわね。」

「よっ、スザク。元気にしてるか。」
 一ヶ月の間に、ジノはスザクをすっかり気に入り、気がつけばアーニャやエリ
ファレット達と一緒にスザクといる事が、多くなった。
「あまり…。」
「腹でもこわしたか?ああ、戦況を見てたのか。」
「色々と修正が必要だと、考えていてね…。」
「ま、向こうに着いたら、カラレスが率いている10個師団の内、3個師団ずつ、
俺とスザクが率いる事になる。それで、状況を打開すればいいさ。」
「そのつもりだよ…。出来る限り急いで決着を着けないと、側面を突かれる。」
「カラレスの野郎。完全に力押しだからな。もうちょっと、工夫しろっての。」
 ジノもカラレスの特に工夫の無い力押しの戦術には、うんざりしていた。
 2時間後、スザクの旗艦アヴァロンと、ジノの旗艦ユリエンスは、西サハラ
のブリタニア軍の拠点に到着した。

「カラレス将軍。ナイトオブスリー、ジノ・ヴァインベルグ卿。ナイトオブセブン、枢
木スザク卿。ご到着なさいました。」
「来たか!」
 不機嫌そうに鼻を鳴らして、カラレスが迎えに出向く。
 仮設空港に到着したアヴァロンとユリエンスを見るなり、カラレスの機嫌は更
に悪くなった。
 アヴァロンは、アヴァロン級のネームシップであり、嘗てはシュナイゼルの旗
艦でもあった。
 当初は、ナイトオブワンであるビスマルクの旗艦になると、誰もが見ていたが、
シャルルはスザクに与えた。
『ナンバーズ上がりがラウンズなどと、陛下は何をお考えなのか!?』
 典型的なブリタニアの貴族であるカラレスは、それが我慢ならなかった。

『何だ。あの冷たい目は…。』
 アヴァロンから降りてきたスザクを見るなり、カラレスは背筋が凍りついた。
 冷徹などと言う生易しいものではなく、見るもの全てを凍てつかせるような、
スザクの視線を見て、口が開かなくなった。
 スザクがラウンズに任命された日には、既にカラレスはアフリカにいた為に、
直接顔をあわせるのは、初めてだった。
「遠路はるばる、ご苦労様です。私は、カラレス将軍の元で一軍を率いている、
ジョアン・マクファーレンと申します。」
「ナイトオブセブン、枢木スザクです。」
 30代後半で、丁寧に整えられたブラウンの髪と口髭が特徴の将校がスザク
に挨拶をして、スザクも挨拶を返した。
「これから、司令部にご案内いたします。カラレス将軍、よろしいでしょうか?」
「う、うむ。」
 どうにかカラレスが頷いて、車で司令部に移動した。

「陛下からの命令書だ。」
 ジノから渡された命令書を見るなり、カラレスは愕然とした。
 麾下10個師団の内、スザクとジノに3個師団ずつ麾下に置くと記されていた
からだ。
 ラウンズは皇帝直属の騎士である以上、指揮権を持つのは皇帝であるシャル
ルか、シャルルに指揮権を預けられた者だけである。
 実質、カラレスは麾下の戦力の内、6割の指揮権を失った事になる。
 スザクの麾下にはマクファーレン率いる部隊が置かれ、ジノの麾下にはブラン
ドン・ネスビット率いる部隊が置かれる事になった。
「それでは、現在の戦況についてですが…。」
 苦々しい気持ちをどうにか押さえ込んで、カラレスが戦況を説明しようとする。
「すでに把握しております…。」
 スザクの澱みの無い口調が、さらにカラレスを不機嫌にさせる。
「我が軍の当面の目標は、ダクラの東北東20kmに位置するアルグブ。ここを
突破すれば、ダクラは陥落したも同然。全軍を挙げて、直ちに攻略すべしと
考えるが、お二方の意見は如何かな?」
 カラレスが、スザクとジノの意見を求める。
『所詮、ナンバーズ上がり。まともな意見など出るわけもあるまい。』
 スザクが的を外した意見を言うのを、カラレスは期待していた。
「オーセルトに駐留している、EU軍の状況は?」
「枢木卿、私の話をお聞きになってはいらっしゃらなかったのかな?我が軍の
目的は、アルグブを落として、ダクラを占領する事。オーセルトなど後で落と
せばよいと考えるが?」
『やはり、ナンバーズ上がりか…。用兵の才などメッキの様な物だな…。』
 カラレスは、心の中でスザクを嘲笑していた。
「現在、アルグブの東南、50kmに3個師団が展開しております。」
「ティシュラは、今は動いてはいないかな?こちらの情報とのタイムラグを埋
めておきたい。」
「一部の軍が、オーセルトの西南西50kmに展開しております。」
「後詰として、健在か。」
 ジノも真剣な表情で、地図を見つめる。
「他の地域の、EU軍の動きは?」
「いえ、そちらは。」
「調べていない?」
 スザクが眉を顰める。
「カラレス将軍は、ご指示をなさいませんでした。」
「直ちに、無人偵察機をモーリタニア、マリに飛ばしてくれ。」
 スザクがアヴァロンに指示を出す。
「カラレス将軍。このまま進めば、我らは半包囲される。それでもよろしいと言わ
れますか?」
「奴らの包囲など、紙も同然!食い破れば言いだけの事!!」
 まったく考慮していなかったカラレスは、アルグブ攻略に固執する。
「だが、すでに側面を幾度も突かれて、少なからず損害を出している。それでも、
無視なさると言われますか?」
 現在のカラレスの軍の損害は、1割を超えている。
 軍事学的には、既に勝利を誇れるような状態ではない。
 このまま進めば、さらに損害が増える事をスザクは、暗に指摘した。
「では、どうなさる?」
 険しい表情で、カラレスはスザクに尋ねる。
「アルグブの軍とは、軽く戦って後退。膠着状態に持ち込む。その間に、オー
セルトを攻略。アルグブとの連携を断つと同時に、ティシュラの軍の動きを封じ
る。その間に、ダクラを攻略する。その間、アルグブは動きを封じるに留めてお
く。ダクラを攻略後、一部の部隊をティシュラに備えさせて、アルグブを前後か
ら挟撃して攻略。最終的に、ティシュラを落とし、モーリタニアへの侵攻拠点と
する。これが、自分の戦略です。」
 アルグブ、オーセルト、ティシュラ。
 この3つの都市を結ぶと、三角形になる。
 この三角形こそが、ダクラを守っているとスザクは結論付けていた。
 正面からであろうが、側面からであろうが、ダクラを攻略しようとすると、
三角形を形成する都市から、いつでもEU軍が救援に駆けつけることが出来る。
 この三角形を崩して、ダクラを丸裸にして攻略する。
 それが、スザクの戦略であった。
「もし、ティシュラの軍が前に出てきた場合は、どうなされますか?」
 ネスビットが尋ねる。
「その時は、叩けばいい。後に残るのは、守る軍なく裸になったティシュラだ。
浮き足立った敵なら、叩くのにはそれ程苦労はしない。頭の中身がまともなら、
そのような愚行はしないだろう。」
 ジノが代わって答え、スザクが頷く。
「解った…。それでいこう。アルグブの軍とは、私が対峙する。」
 あくまでアルグブ攻略にこだわるカラレスが、担当しようとする。
「では、自分はオーセルトを攻略します。ヴァインベルグ卿は?」
「私もオーセルトに行こう。ティシュラへの牽制にもちょうどいいだろう。」
「では、その様に…。」
 2時間後、モーリタニア、マリ方面のEU軍に動き無しとの、偵察結果を受
けて、作戦が開始された。

「前衛ナイトメア部隊、全滅!」
「左翼、押されています!」
「右翼、敵を支えきれません!!」
 オーセルトのEU軍司令官、カプローニ少将は耳に入る相次ぐ凶報に、脂汗
を滲ませていた。
「後詰のナイトメア部隊を出せ!両翼は、本陣と合流!自走砲部隊砲撃開始!
当たらなくてもいい。時間を稼げ!!」
 必死に出した指令を受けて、EU軍は戦線を立て直そうとする。
「第2師団は陣形を楔形に再編。第1、第3師団はそのままの位置でいい。自
分が部隊を率いて中央を突破。その後、背面に展開する。」
「前後からの挟撃ですか?」
「そうだ。アルグブの戦況は?」
 マクファーレンの問いに頷きながら、スザクは戦況を確かめる。
「一進一退だね〜。カラレス将軍がうまくやってくれているみたいだよ〜。」
 アヴァロンにいるロイドから、通信が入る。
「よし、突撃!自分が突破口を開く!!」
 両手にMVSを持ち、高初速リニアキャノンを装備したランスロットが、全
速で敵陣に突撃していく。
「続け!」
 ヴァレーリアが指示を出して直属部隊がスザクに続き、その後第2師団が続
く。

「敵の一部が突撃してきます。数、1個師団。」
「陣を薄くするな。そのままの陣形を保ち、攻撃せよ!」
『1個師団の突撃なら、まだ耐えられる。』
 そう考えての、カプローニの判断だったが、それが根底から覆される時が来
た。
「敵指揮官と思われるナイトメア、我が軍の陣形を引き裂き始めています。」
「馬鹿な!!たかが1騎のナイトメアにだと?」
「映像出します!」
 モニターに映ったのは、リニアキャノンで陣を引き裂きながら、MVSとスラッシ
ュハーケンで、EUの主力ナイトメア、パンツァーフンメルを蹴散らしていく、ランス
ロットだった。
「あの、ナイトメア…。」
 オペレーターの声が、恐怖で震える。
「知っているのか?」
「死神…。セウタを地獄にした死神…。」
「あれがか!?」
 難攻不落の要塞があるEUの重要拠点セウタを、地獄さながらの光景に変え
た、美しくも恐ろしいナイトメアの事は、カプローニも聞いていた。
「第2陣、突破されました。まもなく、本陣に迫ります!!」
 直属部隊と第2師団が続き、ナイトメア部隊は崩壊寸前に陥っていた。
「ティシュラから、援軍は!?」
 オーセルトが危機的状況になった場合は、後詰となっているティシュラから援
軍が来る手筈になっている。
「駄目です。別の部隊がティシュラに牽制をかけている為、救援に来れる状況
ではありません!!」
「自走砲部隊、全滅!!」
「敵、来ます!!」
 それが、カプローニが生きている間に聞いた、最後の声だった。
 次の瞬間、アンチマテリアルモードのヴァリスとリニアキャノンにより、本陣は
吹き飛ばされ、カプローニの肉体は爆風で引き裂かれた。
 後に残っているのは、おびただしいナイトメアの残骸と、燃え盛る本陣だっ
た。
『何という、突破力だ…。』
 マクファーレンは、汗を拭っていた。
「まるで、ブランドリー卿の戦いを見ているようだな…。」
 攻撃に特化した専用ナイトメア、パーシヴァルを駆り、敵陣を引き裂いていく
「ブリタニアの吸血鬼」こと、ナイトオブテン、ルキアーノ・ブランドリーを、思い
出させた。
『だが、何故だ。どうして、悪寒が止まらない…。』
「作戦終了…。他の戦線の状況は?」
 スザクから通信が入る。
「はっ。ティシュラには、動きはありません。しかし…。」
「しかし…?」
「アルグブのカラレス将軍の部隊が、危機に瀕しています。」
「はあ?どういうことだ!」
 マクファーレンの通信を聞いて、ジノが困惑する。
「スザク君、そっちに戦況を送るよ〜。」
 アヴァロンから送られたデータが再生される。
 最初の方は膠着状態を維持していたが、敵が僅かずつ中央部隊を下げた事
につられて縦深陣に入り込み、集中砲火を浴びせていた。
 今は、どうにか抜け出そうとしているが、EU軍も攻撃の手を緩めない。
「何やってんだ!?あの馬鹿!!」
「救援に向かう。第3師団は、ティシュラへの押さえとして残れ。他の部隊は、
アグレブの友軍の救援に向かう!!」
 そう指示して、ナイトメアVTOLへの搭載を完了した直属部隊と共に、スザク
はフロートユニットを展開して、アルグブに向かう。
「こっちも行くぞ!第2師団は、第3師団と共同でティシュラを抑えろ!」
 急ピッチで、ナイトメアVTOLへの搭載を完了させて、ジノはスザクの後を追う。

「ひるむな。EUの攻撃如き、跳ね除けろ!!」
 カラレスが指示を出すが、EU軍はじりじりとブリタニア軍の戦力を削いでいく。
「よし。前進して、再度包囲せよ。もう一息で敵軍は総崩れになる。」
 指揮官のベニト少将は、ここぞとばかりに指示を出す。
『しかし、最初の冷静な戦いぶりは何だったのだ?カラレスらしくない戦いぶり
だったが…。』
 スザクの作戦どうりに戦っていたカラレスの軍を思い出して、疑問に思ってい
た。
「閣下、オーセルトが陥落しました。カプローニ少将も戦死の模様!」
「何だと!?という事は…。ティシュラはどうなっている?」
「敵2個師団に牽制されて、動く事が出来ません!!」
『嵌められたか!!』
 ベニトは、今回のブリタニア軍の攻撃の目的が、ダグラを守る3つの拠点の
攻略及び牽制である事を悟った。
「敵、接近してきます!!上空からです!!」
 上空から、ランスロットが敵中央部に砲撃を加える。
 完璧な奇襲の形になり、EU軍も混乱する。
「ひるむな!相手は、たかだか1騎!態勢を立て直せ!!」
「さらに、敵軍接近してきます!!」
「何!?」
 ヴァレーリア達がEU軍の両翼に攻撃を加え、混乱に拍車がかかる。
「後退しつつ、陣形を立て直せ!!来襲してきた敵の迎撃に専念せよ!!」
 指示を出しながら、モニターに映ったランスロットの姿を見て、ベニトもセウタか
ら生還した兵士達の噂を思い出した。
「そうか…!奴が、セウタの…!!1個連隊のナイトメアをぶつけろ!!奴を討
ち取れば敵の勢いが弱まり、反撃のチャンスも生まれてくる!」
 EU軍が動揺している隙を狙って、カラレスの部隊の撤退を援護し、事実上殿
となっていたランスロットに、1個連隊のナイトメアが襲い掛かる。

「枢木卿!!」
「今は、カラレス将軍の部隊を助ける事に専念しろ!自分なら大丈夫だ…。」
 パンツァーフンメルの攻撃をかいくぐり、次々とMVSの餌食にしていく。
 側面に回りこんだ部隊が、スラッシュハーケンでランスロットを仕留めよう
とするが、全て防がれ、逆に1騎がランスロットのスラッシュハーケンに捉えられ、
モーニングスターのように振り回されて、蹴散らされる。
 そして、上空からヴァリスの砲撃が降り注ぎ、次々と吹き飛ばされていく。
「おのれ!続け!!」
 中隊の一つがランスロットを討ち取ろうとするが、ハーケンブースターで半
数を撃破され、ハーケンを巻き戻しながら、隊長機に接近し機体を両断する。
 それでも、果敢にランスロットを討ち取ろうとするが、悉く返り討ちにあい、数を
減らしていく。
 そして、3分と経たずに、1個連隊のナイトメアは、残骸に変わり果てていた。

「馬鹿な…。1個連隊のナイトメアが、全滅だと…。」
 ベニトは呆然としながら、モニターを見ていた。
「こんな事がありえるのか…。」
 カラレスは、碌に言葉が出なかった。

「やってくれるぜ…。改修して、やっとスザクが本気を出せるとは、聞いていた
がな。」
 ジノは笑顔でいるが、額から冷や汗が垂れていた。
「カラレス将軍、ヴァインベルグ卿。この期を逃さず、全面攻勢に。」
「う、うむ。」
「そうだな。ここで一気に終わらせるか。」
 スザクが殿を務めている間に、カラレスの軍は陣形を再編していた。
 ジノが到着し、EU軍の態勢が乱れている今は、絶好の後期と言えよう。
「そんじゃ、行くぜ。」
 ナイトメアに変形したトリスタンを駆って、ジノが戦闘に立ち突撃する。
 スザクとカラレスの軍も、全面攻勢に出た。

「遅い!」
 パンツァーフンメルの動きが、ジノにはスローモーションのように思える。
 EUのナイトメア部隊は、ジノの敵にもならずに、トリスタンのMVSの餌
食になっていった。
 スザクとジノ。
 2人のラウンズが先頭に立っているブリタニア軍は、瞬く間にEU軍を壊滅さ
せた。
 戦闘が終了し、アルグブとオーセルトが陥落したのを受けて、ティシュラが降
伏。
 防衛拠点を失ったダグラも、間もなく降伏した。

 スザク達がアフリカに降り立ってから7日後、西サハラに続いて、モーリタニア
もブリタニアの軍門に下った。
 モーリタニアでも、常に先頭にはランスロットがいた。
 白と金の美しいカラーリングに関わらず、EU軍にとっては恐怖の対象でしかな
かった。
 EUの軍人は、この後ランスロットをこう呼ぶ。

 「ブリタニアの白き死神。」

 戦場に降り立ち、命を狩り取るような戦いぶりは、EU軍にとっては、死神の所
業でしかなかった。

「ほう。わずか1週間で、制圧を完了したか…。」
 報告を受けたシャルルは、面白そうに呟いた。
「後は、残った者にまかせればよい。ラウンズを引き上げさせろ。」
 報告に来た、ベアトリスに指示を出す。
「イエス、ユア・マジェスティ。それと、ナイトオブセブンに関して、奇妙な報告が
上がってきました。」
「聞かせよ。」
「はっ。「ブリタニアの白き死神」と呼ばれているそうです。」
「ほう。「白き死神」か…。久方ぶりに、愉快な気分になったわ。ご苦労だった。
下がれ。」
 ベアトリスが恭しく礼をして、下がる。
「よき駒が、手に入った物だ。」

「白き死神…。戦場に降り立ち、次々と命を狩る者か…。」
「はっ、EUではその様に、呼ばれているようでございます。」
 休暇中のビスマルクは、屋敷でブラウンからEUでのスザクの二つ名につい
て、聞いていた。
「此度の戦いのおいても、1個連隊のナイトメアを3分とかからずに、全滅させそ
うでございます。」
「そうか。もういいぞ。」
「はっ。」
 屋敷のテラスから、ブラウンが去る。

「1個連隊でも、スザクを仕留められなかったという事か…。スザクを仕留める
には、1個師団は必要だな。」
 赤ワインをグラスに注ぐ。
「このような時に赤ワインを飲むと、余計に血が騒ぐ…。」
 グラスの中のワインを、一気に飲み干す。
「止まらぬ。血の滾りが止まらぬ…。」
 ビスマルクは、凄みのある笑みを浮かべて、ワインを空になったグラスに注
ぐ。
「この血の滾りを止めるには、やはりお前と戦わなければならぬな…。スザク。
そうでなければ、止めようが無い。EUや中華連邦の有象無象の血では、到底
無理だ…。」
 グラスのワインを、再び飲み干す。
「この血の滾り、沈めてもらうぞ。スザク…。」
 再び、ワインをグラスに注いた。

後書き
時系列的には、OTHER TURN02及び、BEFORE TURN05の続きとなります。
本編の第2期で、スザクはラウンズになってからは、「ブリタニアの白き死神」と
呼ばれていましたが、どうしてそう呼ばれるようになったのかが、明らかになって
いなかったので、書いてみようと思いました。
それにしても、どうにも軍同士の戦いを書こうとすると、戦略や戦術を考えながら
書くことから抜け出せないなあと、少し考え込んでしまいます。
短編とかも書きたいんですよね。本当は。
他の方の作品を読ませていただきながら、勉強をしますかね。
さて、ビスマルクはスザクの戦いぶりを聞いて、ますます血が滾っている様子。
スザクとの御前試合が開かれるのは、確実でしょうね。
これから構想を練りますが、どんな話になりますかな?


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