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zoom RSS コードギアス二次小説 AFTER TURN04 エリア 13 侵攻

<<   作成日時 : 2008/06/23 03:14   >>

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「無謀です!!いかに小国とは言え、エリア13にはブリタニアの正規軍が駐
屯しています。我らに残されたナイトメアは、紅蓮弐式、月下を含めても精々
2個中隊を編成するのがやっと!タミル人の勢力が加わったとしても、今度は
兵の練度の差が出てきましょう。勝てる見込みはありません!!」
 千葉が反対意見を唱える。
 中華連邦の首都洛陽からは、タミル人勢力を率いてのエリア13侵攻作戦を
遂行するよう、依頼と言う名目の命令が来ていた。
「ようするに、「皆でいって死んで来い。」事か・・・。」
 いつもは陽気な朝比奈省吾も、険しい顔をする。
「だが、我らは居候の身。逆らう事はできん・・・。」
 卜部巧雪が苦々しい口調で、続く。
「今さら喚いても始まらん。こうなれば、負けた後いかに生き残り、その後行
動するかを議論した方が幾分ましだろう。」
「仙波の言うとおりだ。とにかくいかにして生き残るか。それを話し合いたい
と思っている。」
 四聖剣の最年長、仙波崚河の意見に藤堂が頷く。

「意見が纏まったみたいだね〜。じゃあ、お客人を紹介しようか。」
 いつも通り、煙管を咥えたラクシャータが2人の男を連れてくる。
「どういう事?こっちの監視役?」
 口調こそ軽いが、目は笑っていない朝比奈がそう尋ねる。
「いや、立場的には貴公らと同じだ。私達も、既に無官の身でな。こういえば
解るだろう?」
「同胞ですら、捨て駒にするというのか!?」
 激昂した千葉が、机を叩く。
「それを含めて、こうなった経緯をお話したい。申し遅れたが、私の名は黎星
刻。こちらは来緋剣将軍だ。」

 ブリタニアの首都ネオウェルズの宰相府で、シュナイゼルは報告を聞いてい
た。
「ほう。向こうがそのような事を言ってきたか。」
 執務室にいるもう一人の男。男性にも関わらず化粧をしている男の名を、カ
ノン・マルディーニという。伯爵の爵位を持つ貴族で、シュナイゼルの腹心で
ある。
「正直、呆れます。まさか自分達の保身の為に、ここまでやるとは・・・。」
 呆れた口調でカノンが言う。
「だからこそ、私の提案に乗ってきたのだ。黒の騎士団がインドにいる以上、
今まで手の出しようが無かった。が、向こうがわざわざ処分の為の機会を与え
てくれたのだ。今は好意を受けようじゃないか。なにしろ・・・。」
 執務室のテーブルにある、チェスの駒のうちから白のナイトの駒を手にする。
「こちらには、頼もしい白の騎士がいるのだから・・・。」

「自分達の主君を売って、保身を図るだと!?」
 星刻から、大宦官たちとブリタニアの密約を聞いた藤堂は、耳を疑った。
 武士道が精神に深く根付いている藤堂にとって、それは許しがたい行為だか
らだ。
「そうだ。そして、我々はその前にブリタニアに捧げられる貢物という事になる。
だが・・・。」
「だが・・・、何よ?」
 カレンが尋ねる。
「奴らの思惑通りに死ぬつもりは無い。必ず生き延びて、天子様をお救い申し
上げる!」
「言いたい事は解ったけど。どうやって?脱出しても、拾ってくれなきゃこっ
ちはつかまって死刑になるか海で鮫の餌だよ。」
 朝比奈が尋ねる。
「その為の手配は、私の部下に命じて既にさせている。この戦いは負けるだろ
うが、脱出したパイロットは一人でも多く救う努力をする事を約束しよう。そ
の代わり、我々に協力し、天子様をお救いする為に力を貸してもらいたい。」
「しかし、貴公は無官の身。そのような事ができるのか?」
 藤堂が確認する。
「私の同士達は、洛陽に多くいる。大宦官の専横に不満を持つ者は大勢いるか
らな。死んだと見せかけて洛陽に戻り、君側の奸、大宦官を討つ!!」

「藤堂中佐。副指令。私は星刻殿の助けになる事は、我々の利益にもなると考
えます。今の黒の騎士団の、悪いイメージを払拭する好機にもなりましょう。」
 ディートハルトがそう発言する。
「確かにな・・・。中華連邦の民は疲弊している。大宦官を討ち彼らを救う事がで
きれば、日本人の我らに対する目も変わるやもしれん。」
 卜部が腕を組みながら考え込む。
「副司令。どう思う?」
「実際、選択肢は無いでしょう。このままでは向こうの思う壺だ。」
 扇の言葉で方針が決まり、作戦立案が始まった。
 9日後、諸々の準備が整い、黒の騎士団とタミル人の革命組織の共同作戦が
始まる。

「エリア13がインドからの侵攻を受けているとの、知らせが入った。」
 コーネリアの旗艦コルチェスターの会議室に、緊張が走った。
「中華連邦が侵攻してきたと・・・。」
「いや、今回侵攻してきたのは、黒の騎士団の残党とエリア13からインド軍区
に亡命していた、タミル人の組織だ。」
「エリア13が成立した際にインドに逃げた、同胞からも嫌われていたあの組織
ですか。」
 エリア13。嘗てのスリランカでは人口の大半を占めるシンハラ人と、少数派
のタミル人との対立が続いていた。原因は、民族の違い、宗教の違い等であ
るが、最大の理由はサクラダイト鉱脈である。
 スリランカは世界のサクラダイト採掘量の2%を占めている。しかしそのほと
んどがシンハラ人が多く住む地域に集中しており、タミル人が多く住む北部と
東部海岸には僅かしか採掘されず、タミル人はサクラダイトの生み出す富の
恩恵に預かれなかった。
 そして、EUのイギリス州から独立した後、この格差を無くす事を目指す、タ
ミル人の革命組織が結成され、紛争が続いていた。
 しかし、革命組織のやり方は時が経つにつれ過激になり、無差別にシンハラ
人を殺害したり、子供を強制的に兵士にしたりする中で、同胞からの支持を完
全に失った。
 それでも、組織のテロ活動は治まらず国内を混乱させていたことは事実で、そ
こをつきブリタニアはスリランカを占領して、エリア13が成立した。
 組織はその最中に、まだ支持者がいるインド軍区のタミル・ナドゥ州に亡命し
ていた。亡命を受け入れた大宦官達にとっては、タミル・ナドゥ州は取るに
足らない辺境の地であり。組織がどうなろうが彼らにとってはどうでも良かっ
た。

「そうか。エリファレット卿は、スリランカ侵攻軍に加わっておったな。」
「はっ。多少あの組織については知っているつもりです。」
 ちょうどその頃、エリファレットは実戦テストを兼ねて、完成したサザーラ
ンドを駆り、作戦に参加していた。
「戦力としてはどう見ている?」
「ナイトメアを所持している可能性が無くはありませんが、手段を問わず己の命
を惜しむ事がありませんので、そこを警戒する事が必要かと・・・。」
「ナイトメアを所持していた場合、自爆して道連れにする事も考えられるか。」
「はっ。」
 コーネリアが考え込んでいる時に、戦況報告が入った。
「コロンボ付近まで攻め込まれた!?しかも、今まで確認されていないナイトメ
アが多数加わっているだと?」
 報告には、黒の騎士団はナイトメアの一部にフロートユニットを搭載して、
航空機部隊を撃破。重要な軍事拠点コロンボ付近での攻防戦が繰り広げられ
ていると記されていた。
 且つ、今まで確認されていないナイトメアが加わっている事も、記されてい
た。
「他の戦力は確認されておりませんでしょうか。総督。」
「今の所は確認されていないようだな・・・。」
 スザクに答えながら、コーネリアがふと疑問を抱いた。
「妙だな。今回はタミル人の組織も加わっているはず・・・。連中は何処にいるの
だ・・・?上空、海上共に影も見当たらぬようだが・・・。潜水艦か・・・!?」
「自分も同意見です。艦隊は健在でありましょうか?総督。」
 その最中、凶報が届く。
「悪い知らせだ。黒の騎士団の一部がコロンボの軍港を急襲。艦隊は戦闘不能
との報告だ・・・。」
「タミル・ナドゥ州とコロンボの距離は約500km。潜航時の航行速度をか
なり上げても、往復に問題はありません。VLS等の武装を取り外せば、輸送用
ないし強襲揚陸型の潜水艦にするのは、技術的に難しくありません。まず間違
いないかと」
 エリファレットが意見を述べる。
「解っている・・・。済まぬが、貴公らラウンズは全速でエリア13に向かってもら
いたい。事は一刻を争う。」
「「「「「イエス、ユア・ハイネス!」」」」」
「殿下、私も部隊の一部と共に、同行したいと存じます。許可をいただけません
でしょうか?」
 ギルフォードが発言する。
「良かろう。グラストンナイツも連れてゆけ。」
「イエス、ユア・ハイネス。」
「では、これより部隊を分ける。貴公らラウンズは先遣部隊として、全速でエ
リア13へ向かい。黒の騎士団を迎撃せよ。どうした枢木卿?言いたいことが
あるなら言って構わんぞ。」
 考え込んでいたスザクを見て、コーネリアが言葉を掛ける。
「では、申し上げます。此度のエリア13の侵攻。中華連邦が何らかの形で、
関わっている可能性があると考えます。」
「新型のナイトメアの件か?」
「それもありますが、逃亡時に比べて黒の騎士団の数が多すぎます。しかも、
戦況報告を見ると、加わったナイトメアの動きは明らかに訓練を受けた者達の
動きです。タミル人の組織がナイトメアを所持しているとすれば、さすがに中
華連邦も辺境の地とは言え、見過ごす事も無いと考えます。」
「確かにな・・・。だとすれば、此度の侵攻に関与している中華連邦の思惑は一
体何だ?」
 コーネリアが考え込んでいると、トウキョウ租界にある中華連邦の総領事館
と本国から、通信文が届けられた。
「ふむ・・・。そういう事か・・・。枢木卿、貴公の予測どおり中華連邦が絡んでい
た。もっとも向こうは不平分子の勝手な行動と言い張っているがな・・・。」
「どういうことでありましょうか?」
「これは私も初めて知るのだが、近々、中華連邦の天子と我が兄オデュッセウ
スが結婚する事が決まってな。反感を持つ中華連邦の軍人の一部が今回のエ
リア13侵攻に加わったと。まあ、そういう経緯だそうだ。」
 そう話すコーネリアは、決して愉快そうな表情ではなかった。
 早い話が、大宦官たちが自らの主君を、ブリタニアに売り渡すと言う事だか
らだ。
「つまり、侵攻してきた者達をどうしようが、中華連邦は関知しないということ
でしょうか?」
「そういう事だ。各々言いたい事はあるようだが、中華連邦との事は本国が決
めた事だ。我々が口を差し挟める類の物ではない。」
「今は、エリア13を守る事が先決でございます・・・。」
 スザクはいつも通り冷徹な表情でそう言った。
「そういう事だ。では、すぐにエリア13に向かえ。」
「「「「「「イエス、ユア・ハイネス!」」」」」」

「コロンボの第2防衛ライン、突破されました。」
「第3防衛ライン、間もなく敵と交戦状態に入ります。」
 政庁に戦況報告が次々と入ってくるが、芳しい物ではなかった。
「総督、念の為、避難の用意を。」
「ここで、私が脱出したら駐留軍の士気は下がり、全軍が崩壊する。私は軍事
の専門家ではないが、ここを離れるわけにはいかない。それより、市民の避難
状況はどうか?」
 政庁で報告を受けているのは、エリア13総督のジュリアス・ディ・ブリタニア
である。
 大学で地方行政を専攻し、民族問題を抱えるエリア13を堅実に治めてきた
が、軍事の事は専門外で駐留軍の将軍に権限を委ねていた。
 政庁のあるスリジャヤワルダナプラコッテ周辺にも、親衛隊を中心として、
既に迎撃の準備が整っていた。
「第3防衛ライン、敵との戦闘に入りました。」
「うむ。コロンボ周辺の市民の受け入れ状況は?」
「多少混乱はありますが、全体的には問題ありません。」
 市民の受け入れに関しては、ブリタニア人もナンバーズも区別する事無く、
行わせていた。
「第3防衛ラインを突破されたら、残るは最終防衛ラインのみか・・・。」
 文官の一人が、不安そうに呟く。
「気を強く持て。間もなく、我が姉コーネリアが援軍に駆けつけてくれよう。
それまで、何としても持ちこたえるんだ。」
 不安そうな文官を、ジュリアスが叱咤する。

 一方、コロンボに駐留しているブリタニア軍との戦闘の指揮を取っている藤
堂は相手の粘り強さに、舌を巻いていた。
「総督のジュリアスは、軍事の専門家ではないと聞いていたが、これだけ粘る
とはな・・・。」
 当初の予定より、コロンボの攻略戦が手間取っている事に藤堂は苛立ちを感
じていた。
「おそらく、将軍達に権限を委ねた上で、防衛に専念させているのだろう。そ
うなれば、数で劣る我々は不利だ。2つの防衛ラインを突破するまでに、想定
以上に損害が出ている。来将軍の後続部隊が来るまでに、コロンボを陥落させ
ないと、後がまずいぞ。藤堂殿、いまは戦力を一点に集中して、防衛ラインを
突破するのが先決と見るが?」
 騎乗するナイトメアを駆り、駐留軍のグロースターを両断した星刻がそう意
見する。
 星刻が今騎乗しているナイトメアは月下のプロトタイプを改修して、本来ア
タッチメント式の追加武装を装備できない簡易型の輻射波動を内蔵する左腕
に、武装を装備可能にした機体である。
 黒の騎士団から提供され、星刻が使用している。その代わりに、ラクシャー
タに秘密裏に開発を依頼して、現在極秘に配備が進められている中華連邦の
次期主力ナイトメアドウ・シーが黒の騎士団に提供されていた。
「そうだな。これ以上、長引かせるのは得策ではない。紅月の部隊を先鋒とし
て、一点突破を図る。いいな紅月。」
「はい!!」
 輻射波動で、さらに一騎のグロースターを破壊しながら、カレンは麾下の部
隊を率いて、防衛ラインに突撃していく。

「ギルフォード卿、発進準備はよろしいですか。」
「ああ。すまぬな。無理を言って。」
 アヴァロンでは、ヴィンセントに騎乗しているギルフォードが、発艦準備を終え
ていた。
「お気になさらないで下さい。スザクく、あ、いえ、枢木卿が許可されたのです
から。」
「クルーミー少佐、キャメロットのルールは私も聞いている。いつも通りにして
くれて構わないぞ。」
「お気遣いありがとうございます。では発進シークエンスに入ります。」
「それでは、お先に行かせていただきます。枢木卿。」
「気をつけて・・・。」
 ヴィンセントがレールガンに運ばれていく。
「ヴィンセント発艦!」
「了解、発艦する。」
 ヴィンセントが発艦し、ギルフォードの艦のブルクハルトからもグラストンナイ
ツを中心にした部隊が発進していく。
「スザク君。準備はいい?」
「いつでも・・・。」
 ランスロットは追加ユニットを装備して、既に発艦準備が完了していた。
「あれが、完成していれば使いたかったけど、まだ調整が残っているから今回
は使えない。それで我慢してね。」
「問題ありません・・・。ロイドさん。」
「枢木卿、いつでも発進できます。」
「解った。急ぐぞ。」
「イエス、マイ・ロード!」
 ヴァレーリアの部隊を搭載している、カッシーラーからドーチェスターが次々と
発進していく。
「ランスロット発艦!」
「発艦!」
 ランスロットが発艦する頃には、ジノ達も発艦していた。

「よし、じゃあ俺とスザク、エリファレットが、先行する。アーニャとクローディアは
作戦通りに頼む。」
「解った・・・。」
「了解。」
 ジノの声に2人が答える。
「よし、スザク、エリファレット行こうぜ。」
「ああ・・・。」
「了解。」
 トリスタンとランスロット、エクターがスピードを上げて、コロンボに向かってい
く。

「あと、もう少し!!」
「紅月隊長。間もなく、敵の第3防衛ラインを突破します。」
「解ってる。最後まで気を抜くな!!」
 次々と、グロースターを葬りながら、部下の声にカレンが答えるが、レーダー
に敵影が映る。
「まさか、援軍?」
 暫くすると、上空のギルフォードの部隊が、フロートユニットにある4箇所のハ
ードポイントに装備されている対地ロケット弾を発射する。
 エリファレットの開発した量産機用のフロートユニットは、ロイドが開発した物
に性能は劣るが、両翼にハードポイントが2箇所ずつありミサイルやロケット弾
が装備可能である。
「まずい、全騎散開しつつ弾幕を張れ!!」
 先鋒のカレンの部隊が散開しながら弾幕を張るが、何騎か被弾する。
 舌打ちする、カレンの目に映ったのはギルフォードが騎乗するヴィンセント
と、麾下の部隊だった。
「新型!?」
 ヴィンセントを見たカレンが驚きに目を見張る。
「それに、あれは確か親衛隊用のドーチェスター。全騎にフロートユニットを搭
載している。既に量産機用のフロートユニットを実戦配備していたのか!」
 黒の騎士団もラクシャータが開発した飛翔滑走翼を、ナイトメアに装備させ
ているが、紅蓮や月下以外は僅かな機体しか配備していない為、量産機用の
フロートユニットを見た藤堂は、焦りを感じていた。

「そこのグロースター、聞こえるか?私はエリア11総督、コーネリア殿下の専
任騎士のギルバート・G・P・ギルフォードである。」
「私は、ヴィレッタ・ヌゥ。第3防衛ラインで一個中隊を率いている者です。」
「ヴィレッタ卿か、久しいな。間もなく援軍が到着する。貴公らは、敵の先鋒を
残る全ての戦力で食い止めてくれ、その間にこちらは敵の指揮系統を破壊す
る。」
「イエス、マイ・ロード。」
 通信を切ると、ヴィンセント専用のヴァリスを手にして、数騎のドウ・シー
を破壊して、ヴァリスを腰のマウント部に戻す。装備されているMVSの柄を
繋ぎ、麾下の部隊を率いて、藤堂の月下を中心とする本陣へ突入していく。
「撃て、弾幕を張れ!!」
 千葉の部隊がギルフォードの部隊に向けて、射撃するが反応型ブレイズルミ
ナスとフロートユニットの機動性のために損害を与える事ができなかった。
「量産機用であの機動性か!それにあのシールド・・・。」
 ドーチェスターが装備している、反応型ブレイズルミナスと量産機用のフロー
トユニットの性能に藤堂は激しく舌打ちした。しかも、ヴィンセントはラン
スロットをベースに設計されている為、フロートユニットも同じ物が装備可能で、
更に機動性は高い。
 本陣近くのドウ・シーに近づくと、ヴィンセントの左肘から何かの機構が出て
くる。
 危機を感じたドウ・シーがグレネードランチャーを撃ちまくるが、一発たりとも
ヴィンセントには命中しない。
 そして、ヴィンセントの肘がドウ・シーの胴体に当たり、一瞬まばゆい光が
放たれたかと思うと、ドウ・シーの上半身が爆発して残った下半身が倒れる。
 ニードル・ブレイザー。
 ユグドラシルドライブから供給されるエネルギーを槍状に展開し、敵を破壊
する新型の武装である。
 爆炎の中から現れたヴィンセントの両肩のファクトスフィアは、獲物を狙う
猛獣の目の様だった。
「藤堂、次は貴様の番だ。」
 ヴィンセントがMVSを構えると、藤堂の月下も制動刀を構える。

 両騎がすれ違いざま剣を交え、火花が飛ぶ。
 月下の平突きをかわしたヴィンセントがMVSを振り下ろすと、月下はかわし
ながら側面に回り斬りつける。が、繋いであるMVSの特徴を活用し、側面か
らの攻撃を防ぐ。
 ヴィンセントが態勢を立て直そうとする隙を突いて、再び月下が斬りつける。
「これはかわせまい!!」
 そう確信した藤堂だが、次の瞬間打ち砕かれた。
「馬鹿な!?それは攻撃用の武装のはず!」
「生憎と、これは防御にも使用可能でな。」
 ニードルブレイザーは、ブレイズルミナスの技術を応用して開発されており、
開発当初からブレイズルミナスのように防御に使う事も想定して、開発されてい
た。
 隙を突いて、ヴィンセントのスラッシュハーケンが襲い掛かる。
「くっ!!」
 藤堂は月下を下がらせるが、完全に避ける事はできず、装甲は削られ胸にあ
るスラッシュハーケンを破壊された。
「まずいな・・・、このままでは。」
 こうしている間にも、援軍は近づいてくるだろう。
 その事が藤堂を焦らせていた。
「藤堂さん、一先ず下がってください!」
 2騎のドウ・シーが向かっていくが、まとめてヴィンセントに破壊される。
 グラストンナイツを中心とする部隊も、本陣のナイトメアを次々と破壊し、第3
防衛ラインの奮戦もあり、戦況は僅かずつ黒の騎士団に不利になっていった。
 再びヴィンセントと剣を交えるが、藤堂の焦りに加え機体の性能差が出てき
て、藤堂自身、ヴィンセントの相手をするのに精一杯の状況になっていた。
「どうした?藤堂。それでは、枢木卿の相手は務まらんぞ。」
 オープン回線で、ギルフォードが藤堂に通信を入れてきた。
「スザク君の相手が務まらぬだと?」
「そうだ、私ではもはや稽古相手にもならぬまでに、強くなられたぞ。」
 そして、月下のレーダーはさらなる敵影を映していた。

「あれは、ランスロット!!」
 カレンはランスロットを視認すると、険しい顔つきになる。
 一年前、幾度も苦戦を強いられた、恐るべき強敵なのだから無理も無い。
「おいおい、ランスロットの他にももう一騎と戦闘機までいるよ。ナイトメア
はともかく。あの戦闘機は何だい?」
 朝比奈がフォートレスモードのトリスタンを見て、不思議に思った。
「その後方に、さらに3個中隊のナイトメア。こっちもフロートユニットを装備してい
る。」
 卜部が焦りの表情を見せる。
「先鋒はまだ突破できんか!?」
 仙波が苛立ちながらそう言う。

「さてと、スザク、エリファレット、行くとしようぜ。」
 フォートレスモードのトリスタンが、朝比奈の月下に向かっていく。
「戦闘機で何する気なんだい?」
 ハンドガンで撃ち落とそうとするが、戦闘機ではありえぬ機動で回避しなが
ら月下に接近して、トリスタンはナイトメアモードに変形する。
「ナイトメア!?可変型か!」
 反撃しようとするが、トリスタンのMVSが月下を斬り裂く。朝比奈はどうにか
脱出し、切り裂かれた月下は爆発した。
「さて、反撃の始まりだ。」
 エクターは改良型のヴァリスを狙撃モードにして、アウトレンジから次々と、ド
ウ・シーを破壊していく。
「このままでは!!」
 卜部が空に上がり、エクターを破壊しようとするが、それより早くエクターはM
VPでコックピットごと、月下を貫いていた。
「ば、馬鹿な!?」
 串刺しになった卜部が息絶えるのと同時に、月下は爆発する。
「卜部さん!」
 カレンが叫び声を上げる。
 隊長である卜部を失った部隊は、エリファレットの副官のアレン率いる部隊に、
次々と撃破されていく。
 朝比奈の部隊も、ジノと副官のアンドレア・オニールの部隊に切り崩されてい
く。
「せめて、ランスロットを!!」
 フルオート機能を備えた新型のヴァリスで、ドウ・シーを次々と破壊するランス
ロット目掛けて、仙波の月下が急上昇して迫る。が、ランスロットは易々とかわ
して、ヴァリスを追加ユニットに折りたたまれていた砲身にセットすると、なおも
追いすがってくる月下をかわしながら、逆に零距離で砲口を向けて発射する。
 砲身の中で更に加速されたヴァリスの弾丸は、装甲を紙切れのように引き裂
きながら、コックピットの仙波の肉体を粉々にして、月下を破壊した。
「仙波隊長!!」
 動揺する仙波麾下の部隊にも発射して、大地に穴を穿ちながらドウ・シーを
吹き飛ばしていく。

「やめろーっ!!」
 紅蓮がハンドガンを撃ちまくりながら、ランスロットに向かっていく。
 砲身からヴァリスを外すと、フルオートで紅蓮に向けて撃つが、輻射波動で防
ぎながら、ランスロットに迫りヴァリスを持つ右腕を掴もうとする。が、易々とかわ
される。
「スザク!!あんたも日本人でしょう?どうして、ブリタニア皇帝の直属になんか
なったのよ!?」
 オープン回線で、カレンがスザクに呼びかける。
「カレン・・・、君こそ何の目的で、エリア13を攻め取ろうとする・・・?」
 そう問いかけてくる、スザクの冷たい声を聞いたカレンは背筋が寒くなった。
「そ、それは・・・。」
「そうか・・・、君は勝つためなら手段を選ばないんだったね・・・。ゼロと同じよう
に・・・。」
 それを聞いたカレンは、激昂した。
「じゃあ、どうすればいいって言うのよ!?私達はね、あの時はあいつに、ゼロ
についていくしかなかったのよ!あいつしか頼れる人間がいなかったのよ!!」
 激情に駆られたまま、輻射波動を装備する右手でランスロットを捕らえようと
するが、スザクは易々とそれをかわし続け、左のMVSを抜く。

『無理だな・・・。機体の性能もだが、パイロットの技量に差がありすぎる・・・。そ
の気になれば、いつでもランスロットは紅蓮を斬り裂ける・・・。』
 直属の部下と共に、崩れそうになる部隊を立て直そうとしている星刻は、ラン
スロットと紅蓮の戦いを冷静に観察していた。

「私達は戦うしかないのよ!!そうしないと、私とお母さんが普通に暮らせる
世界にする事なんてできない!!日本も永久に独立する事はできない!!」
 再び捕らえようとするが、逆にランスロットの蹴りを喰らい姿勢を崩して、
どうにか立て直す。
「いずれにせよ。この地の平穏を脅かしたのは確かだ・・・。だから僕は・・・。」
 ヴァリスをマウント部に戻して、右のMVSも抜く。
「君を倒す・・・。」
 スザクの目が更に鋭くなる。

後書き
いよいよ黒の騎士団が舞台に上がりました。
と、言っても、今は居候の身で大宦官達の要求を拒否する事ができない居候
の身。
負けると解っている戦いに身を投じるのも、やむなきの状況です。
ラウンズ以外の正規軍相手なら、藤堂の知略と武勇で、戦況を有利に進める
事ができていましたが、ラウンズと新型ナイトメアヴィンセントが援軍として加わ
った事で一転して不利になりましたが、黒の騎士団の出番はまだまだこれから
です。
スリランカはガンダム00でも出てきましたが、私はインド軍区にしてみれば、咽
喉元に突きつけられたナイフのような国と捕らえ、戦いの場に選んでいます。

次回AFTER TURN05 コロンボ の 戦い
戦いの決着がつきますが、それだけでの話ではありません。

目次へ戻る。

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